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スタンダード会員限定ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 188 ZEH住宅のトラブル事例 日本不動産仲裁機構

住宅新報 2021年10月26日 号 10面

連載: ADRの現場から

総合

 日本をはじめとした先進国の多くでは低炭素化社会の実現に向けた取り組みが行われていますが、日本において実施されている「ZEH住宅」推進のための補助金もその一つです。ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称であり、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させると共に、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅」を指します。今回は、ZEH住宅に関するトラブル事例を紹介します。

 ZEHにおいては、マイホームで太陽光発電を行いますが、ここで近隣とのトラブルが発生することがあります。住宅街におけるトラブル事例としては、(1)太陽光パネルの反射光、(2)発電機器からの音、(3)発電からの電磁波、(4)太陽光パネルに積もった雪等の落下物に関するもの――などがあります。

 屋根全体に太陽光発電機器の付いた新築のZEH戸建て住宅を建てたA氏。住宅を建てた地域は年に1回か2回程度しか雪が降らない場所なのですが、一度大雪が降り、太陽光パネルにも多く積もりました。そしてこの雪が一度に「ドサッ」と隣地と道路に滑り落ちたのです。

太陽光パネルの落雪に注意

 太陽光パネルの表面はガラスであり、瓦やスレート等の屋根材と比較して積もった雪が滑り落ちやすいという特徴があります。そのため、落雪の勢いが強くなりやすく、更に通常よりも遠くまで雪が飛んでしまうことにもなることから、大量に雪が積もった後に落雪してしまうと、思わぬ事故を引き起こしてしまう危険性があるのです。

 この出来事を知った隣に住むB氏が落雪の危険性を感じ、A氏に「雪止め」の設置を依頼。これを受けてA氏が太陽光発電事業者に雪止め設置について検討してもらったところ、特注の留め具をつくり、数十個設置するという方法を提案されました。思いのほか設置費用がかかってしまうことと、降雪日数も多くないということもあり、A氏は雪止めの設置を中止。しかし、どうしても雪止めを設置してほしいと願うB氏との間でトラブルとなってしまったため、太陽光発電の専門家が第三者として間に入った話し合いによる解決の場が設けられることになりました。

 話し合いでは、太陽光発電の専門家がA氏に「隣地所有者に被害が及ばないように配慮する必要があること」「道路に雪が落ちて他人にけがをさせれば、建物所有者として責任を負わなければならないこと」を説明。その上で、改めてB氏の不安を聞いたA氏は、雪止めを設置することを了承しました。

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