ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 185 小売電気とスマートメーター 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年10月5日 号 18面
連載: ADRの現場から
2016年4月、一般家庭向けの電力の小売りが自由化されました。これによって戸建て住宅のみならず、集合住宅に住んでいる人も使用する電気を選べるようになりました。制度開始から5年が過ぎ、この仕組みも社会に定着してきていますが、いまだにトラブルが報告されており、不動産会社との関わりとしては、例えば、管理しているアパートやマンションの賃貸オーナー宛てに、「スマートメーターの交換工事が必要」だとして電話がかかってきた、というものがあります。
スマートメーターとは、従来の電力メーターにはない、電気の使用量を自動で計測する機能や通信機能を備えた電力メーターのことです。人手を介さず遠隔で検針ができるほか、利用者が日ごとや時間ごとに電気の使用量を把握することができます。全国各地の電力会社により、スマートメーターへの交換が順次行われています。従来の電力メーターからスマートメーターへの交換時期は、一般的には既存のメーターの使用期限に基づく更新時期となっており、基本的に特別な手続きは不要で、費用もかかりません。なお、使用電力を自由に選ぶためには、スマートメーターが設備として必要になります。
一般的な賃貸オーナーはスマートメーターについての知識を持っていないため、「入居者が電気を自由に選ぶために必要なこと」として、新しいスマートメーターを無償で取り付けるといって電気の契約切り替えを勧誘されたり、スマートメーターの取り付けに費用を請求されてしまった、という事例が発生しているのです。不動産会社としては、賃貸オーナーからこのようなトラブルを相談された際は、小売電気自由化に対する正しい知識をもってアドバイスをするべきでしょう。






















