ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 182 投資用物件購入に関する相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年9月14日 号 9面
連載: ADRの現場から
コロナ禍における賃貸経営に関するトラブルとしては、入居者の経済状況の悪化からの家賃滞納や家賃の減額請求などがあり、この件数は、これからも増加し続けると考えられます。仮にコロナ禍が収束しても、すぐには減少に向かうとは考えにくいでしょう。したがって、投資用中古物件を購入する際には、平素以上に「滞納者がいないか」など、後々のトラブルになるようなリスクについて注意を払う必要があるでしょう。今回は、投資用物件購入に関するトラブル相談事例を紹介します。
まずは中古賃貸マンション(一棟)を購入したA氏です。A氏は、不動産仲介業者が出していたチラシ(物件概要が記載されているもの)を見て物件を購入しましたが、チラシより実寸が小さく、入居者からクレームを受けてしまい、家賃減額と迷惑料を入居者に対して負担することになってしまいました。ちなみに、物件購入時のチラシ表示は7.5畳で、実寸は6.1畳でした。
A氏は、このチラシ内容は誇大広告には当たらないか、損害賠償等の対象にはならないかなどを確認したいと、相談に訪れました。
次は、不動産投資コンサルタントに不信感を抱いたB氏です。B氏は不動産投資コンサルタントから提示された「不動産価値は必ず上昇する」というシミュレーションを信用し、投資用ワンルームマンションを言われるままに立て続けに3部屋購入しました。しかし、実際売却しようとしたところ、過去に説明してもらった内容がすべて実態とかけ離れており、収支が取れないことが分かりました。
その後、不動産投資コンサルタントに説明と違うことに対する対策をしてもらえるよう要望しましたが、全く取り合ってもらえない状況であり、どのような対応を今後とるべきか相談したいと当機構に訪れました。
説明不足が問題 最後は、売主とトラブルとなったC氏です。C氏は投資用不動産を購入したのですが、購入後、以前の消防設備点検において指摘事項があり、消火器等の交換が必要であったことが分かりました。ここでC氏は、指摘を受けたのは購入前であるため、本来は売主が交換費用を負担するべきであると考え、売主とトラブルになりました。
更に、1階エントランス付近に自動販売機があるのですが、この自動販売機の売り上げが振るっておらず、電気料金分の赤字が出ていることが分かりました。なお、物件購入検討段階では自動販売機の売り上げについては全く説明をされていませんでした。電気料金という比較的少額の赤字であっても、事前説明のない出費に対して快く思わないC氏は、この件についても相談に訪れました。






















