明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第400回 高架下の保育園 メリット生かし柔軟な利用拡大
住宅新報 2021年9月14日 号 4面
【学生の目】
日本住宅公団(現在の都市再生機構)が埼玉県で開発した住戸数5926戸の松原団地は、1964(昭和39)年の完成当時、東洋一のマンモス団地と言われた。老朽化が進んで建て替えられ、すっかり別の街になった。新築マンションが立ち並び、若い世代も増えて、多くの子供たちを見るようになったが、待機児童の増加も心配だ。団地再生で名称変更された駅近くの保育園に目が留まった(写真)。園舎も園庭も高架下で完結している。
保育園を高架下に造るメリットは、第1に、騒音の苦情を気にする必要がない。保育園や小学校は近隣の苦情に悩むが、騒音源の高架と共存すれば悩みから解放される。同じ理由で高架下を音楽施設にする例もある。第2に、用地の確保が容易で、周辺住民の建設反対が少ない。高架下は区分地上権を設定して利用することが一般的だ。区分地上権者は土地購入よりも安く場所が確保でき、区分地上権設定者は収益が得られて相互にメリットがある。保育園は駅近接が望ましいが、駅に近い高架下を利用できる可能性も高い。騒音を理由とする近隣住民の建設反対も起きにくい。第3に、雨に強い。屋外の園庭利用は天気次第だが、高架下は天候に左右されない。























