ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 181 日本不動産仲裁機構 「防災の日」に不動産事業者が知っておきたいこと
住宅新報 2021年9月7日 号 9面
連載: ADRの現場から
毎年9月1日は「防災の日」として日本全国で防災意識を高めるための取り組みが行われています。例えば、避難場所や保存食、最近では缶詰などを活用した「ローリングストック」の紹介なども多くなっています。ここで、不動産事業者が知っておきたいことがあります。それは、震災が発端となって発生した不動産関連トラブルの解決には、ADRが活用されることが多いということです。
東日本大震災においては「ガラスが割れたので賃貸オーナーに修繕を依頼したが、『今は対応できない』と言われてしまった」や「アパートが損壊し、ドアが閉まりにくくなっているのに、賃貸オーナーがなかなか補修をしてくれない」、「ブロック塀の倒壊によって自動車が損壊した」などのトラブルが発生し、数多くのADRが実施されました。今回は、震災時のADR事例について紹介します。
まずは、入居者と賃貸オーナーのトラブルです。A氏はB氏がオーナーを務める賃貸マンションに住んでいましたが、震災によって建物が被災してしまったため、引っ越すことにしました。ここでB氏が提示した「A氏に原状回復費用を負担する義務がある箇所」について、震災によって損耗した箇所が含まれているのではないかということがトラブルになったのです。ADRにおける話し合いの結果は、震災による損耗箇所に関してはA氏の負担ではないとして、A氏の求めた敷金の返金にB氏が応じる形になりました。






















