低未利用土地 確認書交付は2千件 国交省 100万円控除の利用状況公表
住宅新報 2021年8月3日 号 1面
国土交通省は7月29日、「低未利用土地の利活用促進に向けた長期譲渡所得の100万円控除制度」の利用状況を公表した。それによると、20年7月から同年12月までの、自治体による低未利用土地等確認書の交付実績は2060件だった。すべての都道府県で交付実績があり、1件当たりの譲渡の対価の額は平均231万円(単独所有の場合は平均257万円、共有の場合は同143万円)だった。
同制度は、地方部を中心に全国的に空き家・空き地が増加する中、新たな利用意向を示す者への土地の譲渡を促進するためのもの。個人が保有する低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の金額から100万円を控除することで、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化、更なる所有者不明土地の予防を図る狙いで、20年7月1日に開始した。
国交省では21年4~5月、同制度の利用状況および適用事例について調査を実施。とりまとめの結果、制度開始の20年7月から12月末までの半年間で、確認書の交付実績は2060件であり、すべての都道府県で交付実績があることが分かった。
譲渡前の状態を分類すると、空き地(58%)が約6割を占め、空き家(25%)、耕作放棄地(9%)、空き店舗(1%)となった。他方、譲渡後の利用用途では、住宅(57%)が最も多く、工場・作業場(3%)、店舗(2%)、事務所(1%)のほか、「その他の事業利用」は14%を占めた。所有期間については、「51年超」の割合が全体の25%で最も高く、30年以上保有している土地等に対象を広げると約6割(57%)に達した。
また、都道府県別(都道府県平均は約44件)で交付数が最も多かったのは茨城県の124件で、愛知県(117件)、静岡県(92件)、岐阜県(92件)、北海道(87件)と続いた。市町村別では、宮崎県都城市(43件)、山形県鶴岡市(30件)、静岡県浜松市(27件)、兵庫県姫路市(24件)、新潟県新潟市(同)となっている。例えば、石川県輪島市の場合、相続により、老朽化した空き店舗を取得したが、相続人は遠方に居住していたため、管理が負担に。宅建業者に空き家バンクの登録の相談をしたところ、宅建業者の紹介によってゲストハウス運営法人が購入者として見つかった。購入後、改修し、ライダーのためのガレージハウスとして活用。景観の改善や地域活性化に寄与する事例となった。
国交省では、制度の動き出しとしては順調と評価した上で、今後、詳細な分析や対応策を検討するとしている。






















