不動産現場での意外な誤解 売買編152 所有者不明土地に関する民法の改正内容は?
住宅新報 2021年7月27日 号 13面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 所有者不明土地に関して具体的に伺いたいと思います。まず、民法の改正内容です。
A 民法については、専ら「利用の円滑化」という観点からの改正が中心で、具体的には、主として現行の相隣関係の規定(209条、233条)と共有の規定(249条以下)が改正され、その中には一部相続関係の規定も改正されていますが(897条の2、904条の3、908条、936条、952条)、そのほかの改正として、従来の財産管理制度(25条、951条)に加え、新たに不動産に特化した財産管理制度が創設されました(264条の2~14)。これにより、所有者不明の土地・建物のほか、管理不全の土地・建物についても、地方公共団体の長を通じて適切に管理していくことができるようになったと期待されています。
というのも、以前のこのコーナーでも申し上げましたが、特措法の制定によって民間の事業主体も「地域福利増進事業」に参加できるようになったことから(同法6条~26条)、管理不全の土地であっても、一部でも判明している土地の所有者と連携し、民間事業者が中心になって、利害関係人として関係地方公共団体の長を通じて管理人の選任を申し立てることができるからです。
Q 相隣関係の規定については、所有者不明土地にもインフラの整備ができるようになったと聞いていますが。
A その通りです。電気・ガス・水道等のインフラの整備については、従来の隣地立入権(209条)のほかに、新たに設備設置権と設備利用権の規定を設け、隣地の既存の設備と接続して整備することができるようにするなどの改正がなされています(209条の2)。また、その所有者不明土地が森林などの場合には、無条件で竹木の伐採ができるような改正もなされています(233条(1))。
Q ところで、それらの見直しに関する法律はいつから施行されるのですか。
A その具体的な法律名は民法と不動産登記法および相続土地国庫帰属法ということですが、全体の施行は令和3年4月28日の公布の日から2年以内、そのうちの不動産登記法の相続登記の義務化は3年以内、住所等の変更登記の義務化は5年以内とされています。
渡邊不動産取引法実務研究所
代表 渡邊 秀男






















