江戸・明治時代の景観を残す観光地 山あいを縫い、歴史を紡ぐ道 一般財団法人日本不動産研究所 ニューノーマル最前線 不動産の〝変〟と〝不変〟 第4回 長野県・木曽路
住宅新報 2021年6月1日 号 12面
連載: ニューノーマル最前線
「木曽路はすべて山の中である」、これは島崎藤村の小説『夜明け前』の冒頭の一節である。木曽路とは、中山道の一部、長野県塩尻市贄川から岐阜県中津川市馬籠に至る区間を指し、木曽谷(木曽川上流にある木曽山脈・御嶽山系に囲まれた地域)の合間を縫うように通る道で、平地が少なく傾斜が続くため交通の難所として知られ、中山道の難所の一つである「木曽の棧?」もここにある。
木曽路には11の宿場があり、江戸時代・明治時代の建物が立ち並ぶ塩尻市の「奈良井宿」や南木曽町の「妻籠宿」は国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定され、当時の景観を色濃く残す観光地である。情緒あふれる風景は現代の建物が立ち並ぶ一般的な町並みとは一線を画しており、どこか懐かしい落ち着いた雰囲気を醸し出している。新型コロナウイルス感染症が蔓延(まんえん)する前は欧州人が宿場町や街道を散策している姿が多く見られており、外国人を引き付ける魅力が木曽路にはある。
先人の知恵、崖家造り























