目指せ、2拠点生活! 広島・音戸の瀬戸で古民家再生 14 音戸は魅力がいっぱい(5) 音戸大橋と渡船の奇跡
住宅新報 2021年5月25日 号 13面

新しい音戸第2大橋と渡船のコントラスト
島をつなぐ真っ赤な橋
音戸大橋はなぜ、2つとも赤いのか。その理由は、安芸の宮島にある真っ赤な鳥居や建物からきている。音戸第1大橋は、今年の11月に還暦となり、60年前に当時の日本道路公団の有料道路として、瀬戸内海では初めてとなる本土と離島間の架橋事業が始まった。今では、瀬戸内海の島を渡る橋は珍しくないが、当時としては、先駆的だったようだ。1000トン級船舶の航行を可能とするための高架橋として、グルグルと言われるループが築かれた。地元では、今年、還暦を祝うイベント等を検討している。
一方の第2大橋はまだ10年も経ってなく、13年3月の完成だ。アーチの間の長さが280メートルあり、そのアーチの中央部は、国内最大級の海上クレーン船で、わずか1日で一括架設したのだ。地元の人からは、朝にはなかった橋が夕方には橋が架かっていて驚いたという声を聞く。まさに1日にして音戸を開削したという平清盛伝説を彷彿とさせる。
渡し船が存続している
そんな立派な橋が2つもあり、真ん中を江戸時代から続く渡し船が行き来するという奇跡もある。かつては日本全国にあった渡し船は、橋の整備によって役割を終えた。ここも本来ならなくなっても不思議ではないが、保存してきた地域の懐の深さがある。音戸渡船の歴史は古く、江戸時代から300年続いてきたと言われていて、音戸舟唄もあって毎年コンテストをするほど民謡界では有名だ。
生活航路としての利用は少なくなり、音戸渡船組合が事業者として運営して、市の補助金を活用して存続している。最近増えてきたサイクリストや、音戸に遊びに来てくれる人々が「こんな場所は他にない」と言い、渡船に乗り、廃れていくと思っていたこの船に、新たな需要が見えてきたと地元の方々は言う。
未来につなげる取り組み
昨年、船の修繕費をクラウドファンディングで募り、300万円を超える支援を集めた。最近では、テレビの旅番組でも紹介される人気ぶりだ。これから、音戸渡船は「片道約3分のアトラクション」として、生活の足でありながら、観光でも楽しめるコンテンツになりつつある。






















