啓発と政策の後押しを 脱炭素化有識者会議 関係団体へヒアリング
住宅新報 2021年5月11日 号 4面
国土交通省、経済産業省、環境省の3省合同による「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」の第2回会合が4月28日に開催された。住宅・不動産団体へのヒアリングなどが行われ、断熱化を進める上での消費者メリットの創出や簡素な制度設計などが課題として浮かび上がってきた。
同検討会は「2050年カーボンニュートラル」の実現へ向け、住宅・建築物におけるハード、ソフト両面の取り組みと施策の方向性を定めるもの。4月19日の初会合では課題の整理・共有などが行われた。2回目の今回は、住宅・不動産関連団体が参加し、各団体の省エネ・脱炭素関連の取り組みおよび脱炭素社会実現に向けた課題と要望をヒアリングした。
住宅生産団体連合会(住団連)は、省エネルギー性能説明義務化(4月施行)以降の住宅事業者の取り組み・課題を想定した準備のほか、既存住宅の省エネ改修に関して合理的な評価法整備と支援策を進めてきたと説明。再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、ZEHの普及拡大および性能向上の両面での促進策、LCCM住宅の普及策、余剰電力の有効活用と両輪による住宅用太陽光発電設備の促進策などの課題を指摘した。
全国住宅産業協会(全住協)は、住宅の省エネについて住宅購入者等の理解が進んでない背景には、多くの制度があり、説明する側・される側双方の理解の難しさがあると指摘。対策として住宅省エネに関する制度・手続きの簡素化や省エネ対応の追加費用を軽減する助成の充実を挙げた。
不動産協会(不動協)は包括的要望として、住宅・建築物等に対する政策の決定プロセスにおいて、政策に取り組むことが実質的に脱炭素社会の実現につながるという道筋の共有が前提になると指摘。その上で、先導的・積極的なチャレンジに対する規制緩和や予算確保などの支援と適正な評価を要望。加えて、敷地の高度利用を前提とする共同住宅やビル単体での再エネ活用における創電量の物理的限界を解消するための議論の必要性も指摘した。また、既存ストックの改修を後押しするための強力な政策的支援と消費者へのインセンティブ付与等の国策の強化を要望した。
委員からは、省エネに対する消費者理解を促すための広報や導入インセンティブの強化のほか、制度の簡素化などを指摘する意見が出された。また、太陽光発電など地域的な特性を踏まえた制度のあり方が必要とした上で、「公共建築物での環境性能を上げる取り組みは必要」(行政関係者)という指摘もあった。


























