改正民法施行1年、見えてきた課題 監修・東京グリーン法律事務所 弁護士 伊豆 隆義 ▶(3) 品確法・瑕疵担保責任法と新民法
住宅新報 2021年4月20日 号 3面

伊豆隆義弁護士
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)は、新築住宅(完成引渡後1年内の未入居住宅。品確法2条2項)の契約の不適合の責任につき、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(特定住宅瑕疵)につき、引き渡しから10年間と加重し(品確法95条)、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(瑕疵担保法)は、売主に、瑕疵担保責任保証金の供託や瑕疵担保責任保険付保の責任履行確保の方途をとることを義務付けています(瑕疵担保法11条)。両法とも新法に伴い改正されました。
両法とも「瑕疵」を「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない状態をいう(品確法2条5項、瑕疵担保法2条2項)」と定義。その結果、両法とも、一見すると「瑕疵」は「瑕疵」のままとなりましたが、その内容は、新法の契約不適合の責任に併せて変更となっています。
新築住宅の売買について、売主が引き渡し後10年間の特定住宅瑕疵の責任を負う場合は、「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない状態」となり(新法562条、品確法2条5項)、旧法下での「隠れた」瑕疵の要件がなくなりました。
そこで、例えば請負業者の施工不良による雨漏りがある物件を販売業者が完成後にその旨開示して販売した場合、旧法では「隠れた」瑕疵はなく特定住宅瑕疵の責任を負わないとされる余地がありましたが、新法では、雨漏りを買主が容認する契約でなければ、販売業者は新築物件につき、引渡後10年間の特定住宅瑕疵について責任を負います。なお、販売業者は、不具合を発見後1年内に請負人に通知しない時は、請負人に対する責任は原則として問えません(新法637条)。
代金減額請求も 品確法では、旧法下でも特定住宅瑕疵については買主に修補請求を認めていましたが、新法では代金減額請求も加わりました(新法563条)。なお、同条の規定により、まずは修補請求が必要です。
新築住宅につき、特定住宅瑕疵がある場合の買主の供託金還付請求の対象に代金減額請求が追加されました(瑕疵担保法14条)。
瑕疵担保責任保険も売主が買主に対し特定住宅瑕疵担保責任を履行した場合の「損害」や、買主が売主に請求しても相当期間履行しないなどの一定の要件の下での買主の「損害」の直接請求を対象としています(同法2条7項2号、19条2号)。この「損害」に、代金減額請求による減額代金の返還請求をする場合の減額代金額も含まれます。
いず・たかよし=司法研修所40期・昭和63年弁護士登録 東京弁護士会 早稲田大学卒 取扱分野=民事・不動産・建築・商事・知的財産 著書= 借地借家契約 特約・禁止条項集(共著・新日本法規)など






















