点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第47回 歴史ある役場跡地に交流センターを整備 岐阜県岐阜市 住民の思いを利活用に引き継ぐ
住宅新報 2021年4月13日 号 12面
連載: 点検 不動産利活用
岐阜市加納地区はJR岐阜駅の南方至近に位置する約1.5キロ四方の旧来より中山道加納宿の宿場町と加納城の城下町として栄えてきた地域である。加納宿は中山道六十九次のうち五十三番目の宿で、本陣、脇本陣を擁し、1861年の皇女和宮降嫁の際に和宮も逗留(とうりゅう)した大宿であった。現在も当時の町並みや史跡が点在しており、当時の面影が至るところでしのばれる。
宿場町と城下町で栄えた加納地区は、明治初期に東加納町、西加納町に分割され、その後1897年に周辺町村との合併により加納町となった。加納町の役場は、1926年、国会議事堂の建築にも参画し近代建築の基礎を築いた武田五一氏の設計により建築された。鉄骨鉄筋コンクリート造・2階建ての当時としては画期的でモダンな建築物であった。第2次世界大戦時の岐阜大空襲の戦禍も逃れ、05年頃まで役場、県の施設等として利用され、国の有形文化財にも登録された。
国の有形文化財の登録を経て、加納地区の住民のまちづくりの拠点として建物の活用を進めようと模索していた最中、建物の強度不足が判明し、耐震補強工事も検討されたものの、多額の費用を要することから岐阜市はやむなく旧役場の解体を決定した。























