この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇37 住宅評論家 本多信博 見飽きない家 普遍性の中に宿る個性
住宅新報 2021年4月13日 号 11面

個性と普遍性が見事に融合した家はそこに住む人の人柄を偲ばせる。そして、いつまでも残っていてほしいと思わせる魅力がある
30代前半、私が新婚生活を
過ごしたアパートは既にない。西船橋(船橋市)の住宅街の一角だったが、私たちが転居して10年も経たないうちに取り壊され、今は無味乾燥なトランクルームが建っている。もし今でも残っていたらなんとも言えない郷愁を覚えることだろう。
「建物は生きた歴史」という言葉がある。人間は何百年も生きられないが、建物は人間の時間を超えて存続することができる。住む場所が変われば考え方が変わることもあるように、古い建物と出合い、時空を超えれば新たな発見をすることもある。だから建物は「生きた歴史」となる。






















