点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第46回 新庁舎と共にグリーンインフラを整備 三重県いなべ市 放棄地をSDGsの拠点に
住宅新報 2021年4月6日 号 12面
連載: 点検 不動産利活用
いなべ市は鈴鹿山脈の東方、三重県の最北端に位置し、岐阜県と滋賀県に接する人口約4.6万人の自然豊かな市である。03年12月に北勢町・員弁町・大安町・藤原町の4町が合併して誕生した。そんないなべ市で19年に県内外から注目を浴びる出来事があった。19年3月に完成したいなべ市の新庁舎の隣に、同年5月行政によるグリーンインフラ商業施設「にぎわいの森」がオープンしたのだ。
森の中の小屋をイメージしたそれぞれ独立した4つの店舗からなるが、グリーンインフラの名の通り環境に配慮した施設となっている。元々は山林の放棄地だった場所に新庁舎と併せて建設されており、木々の多くをそのまま活用して景観あるいは装飾に生かし、元々の地形を利用して季節風を取り入れ、また、雨水を貯留できる造りにもなっている。そして貯留された雨水はトイレの水等に利用し、更に地中熱も活用してCO2排出の削減に貢献している。
お店の顔ぶれはパン屋、食肉加工屋(ソーセージなど)、カフェ、食料品店、パティスリーなどだが、名古屋や大阪からの有名店の出店であることも話題となった。中には元の店を畳んで出店、いなべ市に移住というオーナーもいて、テレビでも取り上げられていた。18年のいなべ市全体の総観光入込客数が約43万人なのに対し、「にぎわいの森」の19年5月18日(オープン)から20年3月末の入込客数は約44万人であるから、人気のほどがうかがえる。























