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スタンダード会員限定点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第41回 公共施設の集約化を図る 奈良県三宅町 子育て支援で再生目指す

住宅新報 2021年3月2日 号 14面

連載: 点検 不動産利活用

総合
  • 建築中の交流まちづくりセンター「みぃも」

    1 / 3建築中の交流まちづくりセンター「みぃも」

  • 「みぃも」は町役場の敷地内に建設(写真左側は役場庁舎)

    2 / 3「みぃも」は町役場の敷地内に建設(写真左側は役場庁舎)

  • 「みぃも」のイメージ(出所:三宅町ホームページ)

    3 / 3「みぃも」のイメージ(出所:三宅町ホームページ)

 三宅町は奈良盆地の真ん中に位置し、東西約3.4キロ、南北約2キロ、面積4.06平方キロ、全国の町の中では大阪府泉北郡忠岡町(3.97平方キロ)に次ぐ小さな町である。

 奈良県の中心部から約12キロ、大阪市の中心部から約25キロの距離にある田園地帯にあり、幼稚園・小学校が1つしかなく、隣町の中学校に一緒に通いながら子供の頃からの生活環境を共有しているというコンパクトな町である。

 三宅町の歴史は古く、「みやけ」は「屯倉(みやけ)」からの由来とされ、大和朝廷の直轄領で、穀物を納める倉庫を意味している。かつて聖徳太子が飛鳥の京と斑鳩の里を往来した三宅道(太子道)と称される道が町内を通過し、暮らしを支える備蓄基地であったと同時に物流基地でもあったと言われている。

 近年では同町の東部を京都・奈良・和歌山を結ぶ京奈和自動車道と国道24号バイパスが供用開始され、15(平成27)年には京奈和自動車道三宅インターチェンジが設置されたことなどにより、工場や流通倉庫等の進出が期待されており、昔も今も交通の要衝にある。

過疎地域に指定

 しかしながら、第2次ベビーブームや町内の団地開発により1960年代半ばから増加傾向にあった人口は、1993年の8672人をピークに減少に転じ、その後も人口減少、少子高齢化に歯止めがかからず、19年には過疎地域に指定された。このままでいくと2040年には4000人を下回ると推計されていることから、町の再生をかけて人口の減少や少子高齢化に取り組み、町の活力を維持していくことが大きな課題となっている。

 この課題に対する取り組みの一環として、教育・福祉・保健が連携した総合的な子供支援施策を展開するために、町内で分散化し、また老朽化した公共施設等の機能を集約化して、子育て支援の場、生涯学習の場、町民の交流の場の拠点づくりを目的とする「三宅町複合施設整備基本構想」が18年に策定された。

 これを受けて、町役場の敷地内で地上3階建て・延べ面積約1880m2の「三宅町交流まちづくりセンター」が現在建築中であり、公民館、図書館、学童保育、子育て支援施設などの複数の機能を併せ持つ施設として21年12月にグランドオープンの予定である。愛称が公募され、子育て世代の母親(MaMa)と地域の方(Me)が集まる場所という願いを込めて、「MiiMo(みぃも)」と名付けられた。

 この複合施設は単なる複合的な機能を持つだけではなく、「みんながもっと三宅を好きになる」をコンセプトとして、タウンミーティングやアイデア募集などを通じて住民のできること・やりたいことを積み重ねながら三宅町の未来を育む町の拠点づくりを目指している。

複合施設を起点に

 三宅町は過疎地域に指定されているものの、都心からそれほど遠くなく、京奈和自動車道等を軸とした周辺地域との連携により産業振興が期待できる中で、小さな町として地域的なまとまりと人間関係のコンパクトさを強みとして、この複合施設を起点にした子供支援策が町の活性化の推進力になることが大いに期待される。

(奈良支所、不動産鑑定士・松山順一)

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