目指せ、2拠点生活! 広島・音戸の瀬戸で古民家再生 5 なぜに音戸の瀬戸へ(5) 物件探しに難航するとは
住宅新報 2021年2月23日 号 19面

かつての商店街は、空き家がたくさん並ぶ
古民家の賃貸がない
呉市の音戸界隈で、具体的に物件を探すことになったのは、19年の1月からだった。実は当初、呉市の離島で古民家を購入するなど、恐れ多くて、全く考えていなかった。単純に借りたいと。
ところが、離島では、古民家を貸す発想がないというか、扱う不動産会社もないのが現状だとわかった。さらに、程度の良い古民家もほぼない。借りてリフォームをやるしかないのだが、それを想定した賃貸の発想が、そもそも呉にはなかった。そこで、方針転換をして、購入も視野に入れて物件を探すことになった。
宿をやるための条件
もともと購入条件があったので、ここに記しておこう。1つは、宿を目的としているので、それに見合った場所であること。ある程度の利便性の高い立地が重要だ。たとえ程度が良い古民家で、格安の価格であったとしても、場所が山深い、近隣に何もない、海から遠いとなると、かなり厳しい。
更に2つ目として、西荻窪の自宅を長く離れて移住することもできず、2拠点ライフとなる。そのため、運営をサポートしてくれる家守さんが必要で、やはり立地は譲れないところだ。
3つ目として予算の問題もある。今度はいくら立地が良くても、高額となると手が出ない。宿にする以上、それなりのデザイン性や居住性が求められ、そのためにメンテナンス費用が必要だ。そのあたりを掛け合わせた条件に基づき物件を探した。
なぜか、見つからない
そして呉市役所を訪ね、「空き家バンク」にも登録したが、希望する離島の音戸方面には少なかった。圧倒的に市街地周辺で、しかも古民家の取り扱いがなかった。
島には空き家がたくさんあるというのに…。そのあたりを島の人に聞くと、いろいろな事情があることがわかった。例えば、先祖代々の家を売ることが恥と考えている。家主さんは、広島市に住んで、そっちで仕事をしているが、法事で人が集まるケースもあり、そのため、保持していて、特にお金に困ってないので、売る必要がない。更地にすると税金が上がるので、取り敢えず、そのままにしているというケースもあった。
空き家が多くても、物件探しは、簡単ではなかったのだ。






















