点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第39回 印象的な魅力を持つ観光都市 広島県尾道市 「狭小幅員」が生む街並み
住宅新報 2021年2月16日 号 12面
連載: 点検 不動産利活用
「狭小幅員」と聞いて、不動産関係者は何を思うだろうか。おおむね「車両の通行が困難だろうな」「建物の建築が困難になるかも」といった土地価格にマイナスの影響を与える要因であろう。不動産の資産価値という側面にフォーカスすれば「狭小幅員」と聞いてそのようなイメージがまずは浮かんでしまうだろう。しかし、街並みや観光資源の観点から「狭小幅員」を考察してみたとき、別の視点が生まれてくる。
広島県尾道市は広島県東部に位置し、内陸の山間部を除き瀬戸内の温暖な気候の港町である。古くは平安時代から荘園米の積み出しなどを行う港町として、現在では造船を生業とする港町として、海や港といったキーワードと密接につながった街を形成している。
古くから栄えた他の港町もそうであるように、尾道市も、海から程近い丘陵地では、比較的勾配のきつい傾斜地にも建物が立ち並んでいる。このような地域は地勢柄、道路の拡幅なども進んでおらず、古い家屋や寺院が昔のまま立ち並ぶ街並みが広がっており、どこか牧歌的な空気が漂っている。























