この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇27 住宅評論家 本多信博 なぜ報酬に上限が サービス競争を阻害
住宅新報 2021年2月2日 号 11面

単身世帯、夫婦のみ世帯、母子家庭、外国人労働者などが増えるこれからの日本社会では、良質で質の高いサービスを伴う賃貸住宅に対する需要が高まるはずだ。ハコとしての住まいを提供するだけではなく、そこでの暮らしをサポートする新たな付加価値を伴った仲介業務も求められている
日本は資本主義、かつ自由主義を理念とする社会なのだから、サービスや商品の価格に上限が定められていたらおかしくないだろうか。媒介報酬の上限規定のことである。
特に気になるのが賃貸住宅の媒介報酬(仲介手数料)。依頼者双方から受け取ることができる報酬金額の合計が家賃の1カ月分までと定められている。しかも、どちらか一方の依頼者から1カ月分を受け取る場合にはその承諾を得ていることが条件となる。
今は空き部屋が多く〝借り手市場〟だから、貸主としては家賃の1カ月分以上払ってでも早く借り手を決めてもらいたいというニーズが強い。借主の中にも、本当にいい部屋を紹介してもらえる(という評判の業者である)なら、1カ月分以上の報酬を払ってでも仲介を頼みたいという人は大勢いるだろう。なにしろ、家は実際に住み始めてみなければ分からないことも多いので、本当に信頼できる業者にあっせんを依頼したいからだ。






















