全国・オフィス空室率 低水準だが、小幅な上昇基調
住宅新報 2021年1月12日 号 3面

空室率の推移
企業業績の不振などを反映し、オフィスの空室率は各種調査で伸び悩む。
三幸エステート(東京都中央区)の賃貸オフィス市況調査でも同じ傾向を示す。全規模ビル(内訳は1フロア面積200坪以上の大規模ビル、同100坪以上200坪未満の大型ビル、同50坪以上100坪未満の中型ビル)の空室率(20年11月度)は▽札幌(札幌駅南口・北口エリア、大通エリア)が3.23%(20年3月度から0.48ポイント上昇)、▽仙台(仙台駅駅西・駅東エリア)が4.85%(同0.04ポイント上昇)、▽東京(都心5区)が2.13%(同1.35ポイント上昇)、▽名古屋(名駅・栄・伏見エリア)が3.25%(同0.65ポイント上昇)、▽大阪(主要3区)が2.69%(同0.76ポイント上昇)、▽福岡(天神・博多駅前・呉服町エリア)が2.74%(同0.78ポイント上昇)――と、低水準を維持しているが、横ばい・上昇基調にある(グラフ参照)。
各地のトピック
20年11月度時点での各地のトピックは以下の通り。
札幌 需給バランスは引き締まった状態で、募集条件の見直しはまだ広がっていない。
仙台 2月にWeWorkがJR仙台駅東口直結のオフィスビルに出店を予定。アフターコロナのオフィス需要への受け皿の一つになると見られる。
名古屋 需給バランスに急激な変化は見られないが、空室率は緩やかな上昇が続く可能性がある。
大阪 建築中の大規模ビルではテナント誘致に時間を要しているが、梅田周辺のプライムビルで一部の募集床が引き合いを集め始めている。
福岡 大口の面積帯は需要回復に遅れが見られる。主要エリアの値ごろ感のあるビルで、100坪以上のまとまった募集床に対する引き合いが出始めている。
◇ ◇
三幸エステートに加え、三鬼商事(東京都中央区)のオフィス市況調査でも都心5区の空室率上昇ペースは速い。上昇ペースの要因には深刻なコロナ禍に加え、大量供給の影響もうかがえる。
都心5区は18年~20年にオフィスの大量供給が続いた。コロナ禍以前の空室率は過去最低水準で推移していた。20年竣工のビルはコロナ禍以前にリーシングが終了していたケースが多く、移転に伴う空室(2次空室)へのリーシングはコロナ禍の最中だった。21年以降、都心5区のオフィス市場は調整局面に入ると共に、オフィス戦略再構築が本格化すると見られる。






















