本社 住宅・不動産経営者アンケート 「物流」や「住宅」に成長期待 ECやリモートワーク背景、ワクチンによるコロナ収束見込む声も
住宅新報 2021年1月12日 号 1面
新型コロナで21年の事業環境は、昨年と同程度で推移するとの回答が最も多く、改善するとの期待も比較的多かった。ワクチンの開発などで感染が落ち着いてくることを同程度での推移や改善の根拠とする意見が目立った。また、収束が見込めなくても、世界的な金融緩和による資金流入で、日本の不動産市場が下支えされるとの見通しを示す企業もあった。
新型コロナを踏まえて今後、特に成長が期待できる事業分野については、「物流」が最も多かった。「ECが拡大する中、物流アセットへのコロナ影響は肯定的な影響が強い」「eコマース消費の増加」など、いわゆる巣ごもり消費の拡大を背景にした意見が目立った。また、「テナントニーズにマッチした施設が不足」「過熱感はあるものの、需要が大きい」といった物流施設自体の不足感も根拠になっている。
「住宅」は、「物流」に次いで多かった。「テレワークおよび在宅勤務の普及」「テレワーク、リモートワークの増加」により住宅で過ごす時間が増え、働く場として住まいを充実させるニーズが出ていることが大きな理由となっている。
21年度の新設住宅着工の見込みは、85万戸未満が約9割を占めた。そのうち80万戸未満の予想が全体の4割近い水準と厳しい見通しとなっている。利用関係別でも「横ばい」と見る回答が半数を超えているが、個人住宅(持ち家)と分譲住宅(戸建て)が増加するとの予想がいずれも3割を超えており、郊外での戸建てニーズの高まりなどが背景にあると見られる。
首都圏の分譲マンション供給戸数は、3万~3.5万戸未満が8割以上を占め、3万戸台前半との予想が支配的だ。売れ行きも昨年と同程度が7割を超え、コロナ禍でもマンション販売に大きな変化はないとの見方となっている。
「DX」化注目集まる
21年の注目テーマは、コロナ関係を除くと目立ったのは「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」だった。在宅勤務の普及や業務効率化に伴う業務のデジタル化やセキュリティトークンなどの不動産テックの進展、商談や契約のオンライン化など非対面対応の普及といったことが背景にあると見られる。
また、「脱炭素」や「サステナビリティ」「SDGs」といった環境に関係するキーワードを挙げる企業も複数あり、長期的な取り組みも視野に入っている様子がうかがえる。
ウィズコロナやアフターコロナを踏まえた「ニューノーマル」「新しい生活様式」「新たな日常」といったキーワードで、新たな商品やサービス提案を行う姿勢を示す企業もあった。
新年景況アンケート内容と結果(回答54人)
Ⅰ.日本経済(景気)の見通し
(1)全体的に景気の回復基調が強まる…3.7%
(2)前年よりはやや改善する…61.1%
(3)前年と同様の状況が続く…25.9%
(4)前年より厳しくなる …9.3%
Ⅱ.住宅・不動産市場の全体的な景況
(1)前年より好転する …27.8%
(2)前年と同様の状況で推移する
…63.0%
(3)前年より厳しくなる …9.3%
Ⅲ.新設住宅着工戸数(21年度)
1)全国の住宅着工戸数予想は
75万戸未満=20.9%>75万~80万戸未満=18.6%>80万~85万戸未満=48.8%>85万戸以上=11.6%
2)個人住宅(持ち家)の着工戸数は
(1)増加する…31.3%
(2)横ばいで推移する…54.2%
(3)減少する…14.6%
3)賃貸住宅の着工戸数は
(1)増加する…22.4%
(2)横ばいで推移する…53.1%
(3)減少する…24.5%
4)分譲住宅(戸建て)の着工戸数は
(1)増加する…31.3%
(2)横ばいで推移する…56.3%
(3)減少する…12.5%
Ⅳ.分譲マンション市場(首都圏で想定)
1)20年の首都圏の供給戸数は
3万戸未満=5.0%>3万~3.5万戸未満=82.5%>3.5万~4万戸未満=2.5%>4万戸以上=10.0%
2)前年と比較して、売れ行きは
(1)良くなる…17.4%
(2)同程度で推移する…76.1%
(3)悪化する…6.5%
Ⅴ.不動産(中古)流通市場(首都圏で想定)
1)前年と比較して、個人・リテール分野の取引件数は
(1)増加する…43.8%
(2)横ばいで推移する…52.1%
(3)減少する…4.2%
2)前年と比較して、法人・事業用・投資分野の取引件数は
(1)増加する…48.9%
(2)横ばいで推移する…40.4%
(3)減少する…10.6%
3)前年と比較して、首都圏の不動産取引価格は全体として
(1)上昇…16.7%
(2)横ばい…79.2%
(3)下落…4.2%
4)前年より取引が活発になると思うものを選んで下さい(複数回答可)
(1)マンション…22.4%
(2)戸建て…34.1%
(3)宅地…9.4%
(4)事業用・投資用資産…25.9%
なし…8.2%
5)リノベーション市場(個人住宅)
(1)拡大が続く…67.4%
(2)横ばい…32.6%
(3)縮小に転じる…0.0%
Ⅵ.賃貸ビル市場(首都圏を想定)
1)前年と比較して、Aクラスのオフィスビルの空室率は
(1)低下が続く…2.3%
(2)横ばいで推移…52.3%
(3)悪化する…45.5%
2)前年と比較して、中小規模のオフィスビルの空室率は
(1)低下が続く…0.0%
(2)横ばいで推移…36.4%
(3)悪化する…63.6%
3)前年と比較して、オフィス賃料は
(1)Aクラス、中小規模とも「上昇」する
…0.0%
(2)Aクラスは「上昇」し、中小規模は「横ばい・下げ止まり」で推移する…8.9%
(3)Aクラス、中小規模とも「横ばい」で推移する…40.0%
(4)Aクラス、中小規模とも「下落」する
…51.1%
4)継続賃料(首都圏を想定)は
(1)値上げ傾向が続く…6.8%
(2)横ばいで推移する…72.7%
(3)下落に転じる…20.5%
Ⅶ.不動産投資市場
不動産投資ファンド(Jリート含む)など投資家の不動産取得(売買)はどうなると思われますか
(1)前年より投資活動は活発化する
…47.7%
(2)前年と同程度で推移する…45.5%
(3)前年水準より低迷する…6.8%
Ⅷ.賃貸住宅市場
1)前年と比較して、空室率は
(1)改善する…0.0%
(2)横ばいで推移する…82.7%
(3)悪化する…17.3%
2)前年と比較して、平均成約賃料は
(1)上がる…3.8%
(2)横ばいで推移する…84.6%
(3)下落する…11.5%
Ⅸ.ハウスメーカーの受注見通し
1)前年と比較して、注文住宅は
(1)上回る…40.0%
(2)横ばいで推移する…45.7%
(3)下回る…14.3%
2)前年と比較して、賃貸住宅は
(1)上回る…21.2%
(2)横ばいで推移する…48.5%
(3)下回る…30.3%
Ⅹ.リフォーム・増改築市場
(1)前年より活発化する…55.3%
(2)前年と同程度で推移する…38.3%
(3)前年より低調になる…6.4%
Ⅺ.新型コロナで21年の事業環境
(1)前年よりも改善する…37.7%
(2)前年と同程度で推移する…45.3%
(3)前年より厳しくなる…17.0%
Ⅻ.特に成長が期待できる事業分野(複数回答)
(1)住宅…18.2%
(2)オフィス…5.1%
(3)商業…0.0%
(4)売買・仲介…10.1%
(5)物流…38.4%
(6)投資…10.1%
(7)新規分野…10.1%
(8)その他…0.0%
アンケート回答者・一覧
旭化成ホームズ・川畑文俊代表取締役社長▽朝日住宅・初田郁子代表取締役専務▽伊藤忠都市開発・松典男社長▽エフ・ジェー・ネクスト・肥田幸春社長▽ADワークスグループ・田中秀夫代表取締役社長CEO▽小田急不動産・金子一郎取締役社長▽オープンハウス・荒井正昭代表取締役社長
近鉄不動産・倉橋孝壽社長▽コスモスイニシア・高智亮社長▽サジェスト・宮内宗頼代表取締役▽サンケイビル・飯島一暢代表取締役▽新日本建物・池田友彦代表取締役社長▽スターツグループ・磯崎一雄代表取締役社長
住友不動産・仁島浩順代表取締役社長▽住友不動産販売・伊藤公二代表取締役社長兼社長執行役員▽住友林業・光吉敏郎社長▽積水化学工業・神吉利幸住宅カンパニープレジデント▽積水ハウス・仲井嘉浩代表取締役社長▽センチュリー21・ジャパン・長田邦裕代表取締役社長▽相鉄不動産・杉原正義取締役社長
大京・深谷敏成代表取締役社長▽大成有楽不動産・浜中裕之代表取締役社長▽大東建託・小林克満代表取締役社長▽大和ハウス工業・芳井敬一代表取締役社長▽タカラレーベン・島田和一代表取締役▽東急・高橋和夫取締役社長▽東急不動産・岡田正志社長▽東急リバブル・太田陽一代表取締役社長▽東京建物・野村均代表取締役社長執行役員▽東建コーポレーション・左右田稔代表取締役社長兼会長▽トーセイ・山口誠一郎社長
ナイス・杉田理之代表取締役社長▽日神グループホールディングス・堤幸芳代表取締役社長▽日鉄興和不動産・今泉泰彦社長▽日本財託・重吉勉代表取締役社長▽日本土地建物グループ・平松哲郎代表取締役社長▽野村不動産・宮嶋誠一代表取締役社長
ハウスコム・田村穂代表取締役社長執行役員▽長谷工コーポレーション・池上一夫代表取締役社長▽パナソニック ホームズ・井上二郎代表取締役社長▽フージャースホールディングス・廣岡哲也代表取締役▽プロパティエージェント・村田貴志取締役▽平和不動産・土本清幸代表取締役社長▽ポラスグループ・中内晃次郎代表
ミサワホーム・磯貝匡志代表取締役社長執行役員▽三井不動産・菰田正信代表取締役社長▽三井ホーム・池田明代表取締役社長▽三菱地所・吉田淳一執行役社長▽三菱地所ハウスネット・平川清士取締役社長▽三菱地所リアルエステートサービス・湯浅哲生代表取締役社長▽森トラスト・伊達美和子代表取締役社長▽森ビル・辻慎吾社長
ヤマダホームズ・松本英樹代表取締役▽リストデベロップメント・木内寛之取締役社長(社名五十音順54人)






















