ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 143 信頼関係をつくる「調停人の姿勢」 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2020年11月24日 号 8面
連載: ADRの現場から
不動産・建築に関するトラブルを話合いで解決するADRですが、実際に当事者の間に入り、話合いをリードして解決の道筋を描く調停人には、必要となる「姿勢」があります。以下、神奈川県で不動産会社を経営すると共に、調停人として活躍しているJ氏に調停人に必要となる3つの姿勢を紹介してもらいます。
当事者間に入りトラブルを解決していく調停人には、一般的に(1)共感、(2)承認、(3)支援という3つの姿勢が求められます。まず、「共感」とは「当事者が何を心に抱えているのかを理解し、その人の立場に立って考える」ということです。人と人のコミュニケーションは「理論と感情」で成り立っています。例えば、敷金問題に関するADRにおいては、「敷金が返ってこない」という理論と「悔しい、悲しい、不条理に感じる」という感情が混ざり合い、当事者はトラブルと向き合っています。
調停人は理論と感情のうち、どちらに比重が置かれているのかをキャッチするようにします。当事者の理論と感情を考え、調停人自身をそこに重ね合わせるのです。これをすることによって、トラブル解決の方向性がみえてくると共に、当事者との信頼関係を築くことができます。いわば、「トラブル解決の土壌」ができあがるのです。






















