この地上において今 住まいが未来を語り始めた ◇15 住宅評論家 本多信博 明海大・藤澤美月さんへの返信 時を超えた時間とは
住宅新報 2020年11月3日 号 13面

「ゆく川のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」。自然はまさに悠久の時間と共にある。有限の存在である人間は、悠久の時の流れに抱かれたとき、真の安らぎを覚える。〝悠久の住まい〟を設計することとはどういうことなのか。今は、住宅の造り手にこそ哲学が求められている
住まいには人を幸せにする大きな力がある――私が拙著『住まい悠久』で最も言いたかったことはそれである。その本の感想文に明海大学不動産学部4年生の藤澤美月さんは「本書を読んで、〝悠久の住まい〟を実現することが、これからの世の中を幸福にする基軸だと思った」と書いてくれた(10月27日号4面)。
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住まいを求める第一の理由として多くの人が、「幸せになるため」と語る。18年住宅・土地統計調査によれば日本の持ち家率は61.2%。世帯主が働き盛りの40代に限っても57%と6割近い。60歳以上の世帯では約80%にもなる。つまり、日本は国民が幸せになるための基盤はほぼ出来上がっている。問題は、それらの住まいが〝悠久の住まい〟になり得ているかどうかである。






















