ひと 空き家再生の市場創る 「土地目線」で空き家を街の資源に変えるジェクトワン社長 大河 幹男さん
住宅新報 2020年9月29日 号 2面
連載: ひと

大手ディペロッパーを経て、09年にジェクトワンを創業した。不動産の売買・仲介・開発および空き家活用事業を展開。売上高は19年3月期が110億円、20年3月期が141億円と右肩上がりだ。マンションや戸建て、商業施設など多角的に取り組むことで経営のリスクヘッジを図る。地域やその場所に沿った建物を綿密なマーケティングに基づいて設置する「土地目線」の事業が特徴だ。
16年には空き家活用サービス「アキサポ」を始動し、社会課題の解決も見据える。これは首都圏の空き家を地権者から借り、地域性に沿った物件へ同社がリノベーションした後、一定期間転貸するもので、空き家オーナーと3~15年の定期借家契約を結び、利用者の賃料で収益を上げていく。
空き家の使途である「活用」を契機に地権者とのつながりを強化し、「活用以外」(売買・仲介等)で利益を高める狙いだ。これまでの再生事例は、相続で継いだ廃倉庫を満車稼働にした大田区のバイクガレージや、「トキワ荘」があったマンガの街・豊島区南長崎の空き店舗を再生したシェアキッチンなど。今年10月には再開発が進む板橋区のハッピーロード大山商店街にシェアキッチン(6面に関連記事)をオープンする。行政や自治体、異業種との連携にも意欲的で、今夏には戸板女子短大の学生と空き家再生の産学連携プロジェクトにも着手した。
従来はリノベ費用を自社で負担するケースもあったが、これまでの取り組みの結果、金融機関からの融資額が増加。今後は会社の信用度ではなく、空き家再生という名目で融資が可能となれば、〝空き家を借りて再生して貸す〟という新しい不動産市場が広がると考える。「空き家市場は現状で9兆円とも推測される。不動産業者としてビジネスモデルの構築は責務。事業を通して空き家の減少という社会貢献を目指す」。65年生まれ。 (佐々木淳)


























