国交省 賃貸管理業法関連政省令、10月にも公表 井崎信也 不動産業課長に聞く
住宅新報 2020年9月29日 号 2面

7月、国土交通省不動産・建設経済局の不動産業課長に就任した井崎信也氏(写真)に、不動産行政の現状や方針などを聞いた。
◇ ◇ ――6月に公布された賃貸管理業法について。
「現在は、同法の施行に当たって必要となる政省令やガイドラインの準備を進めている段階。まず12月に施行される見込みの、サブリース関連規定の政省令等が中心だ。8月に有識者検討会を発足し、その下に具体的な内容についての実務者ワーキンググループを設置して、規制等の詳細を検討している」
――政省令等の詳細は。
「例えばガイドラインでは、(サブリース契約の広告や勧誘等において)『どういった行為が規制の対象となるのか』を明確に例示するなど、事業者と消費者の双方にとって具体的で分かりやすい内容であることが重要だ。政省令についても一括して準備を進めており、政令の閣議決定と併せて10月中にも公表すべく検討を急いでいる。その後は業界団体を通じて周知を図るなど、広く普及と浸透を目指していく」
――継続を決めたIT重説関連の社会実験については。
「新型コロナウイルス感染症の影響による、社会的なニーズの増大が大きい。継続実験の一つ、個人を含む売買におけるIT重説の社会実験は、19年10月の開始当初は参加企業数が50社程度だったところ、同感染症の拡大以降は登録申し込みが飛躍的に増え続け、現在は700社以上にもなっている。こうした状況を踏まえ、社会実験と併行して本格運用に向けた検討を進めることとした。もちろん本格運用のためにはしっかりとしたルール整備なども必要となるが、可能であれば切れ目なく円滑に移行できるよう準備している」
「もう一つの継続社会実験、賃貸取引における書面のデジタル交付については、これまでの事例から課題も見えてきた。紙の書面と比べて全体の把握性に難があるほか、利用者の多かったスマートフォンでのトラブルなども報告されている。こうしたトラブルについての注意点なども踏まえ、特に消費者の安全性確保を前提に、取引の利便性向上につなげていければ」
――将来的には、売買においても書面のデジタル化を想定するか。
「そう考えている。売買はまずIT重説の本格運用に向けた取り組みが先だが、その後は賃貸と同様、デジタル書面の実用化に向けた社会実験を行っていく流れになるだろう。その際には、現在の賃貸における社会実験で培った知見も生かせるため、より円滑に進められると思う。いずれの分野でも、IT重説と書面のデジタル化が実現すれば、営業や商談から重説、契約という一連の取引の流れが、制度上すべてオンライン・ペーパーレスで可能となるため期待は大きい」
――8月28日からの重説における水害ハザードマップ説明の義務化について。
「周知の通り、近年は自然災害により大きな被害が発生しており、水害リスクに関する情報提供は一層重要性を増している。不動産事業者の方々には負担をかけてしまう面もあると思うが、ぜひ施策の趣旨を理解の上、協力してほしいと考えている。また今後、現場での運用状況などの把握にも努めていきたい」


























