ニュースが分かる! Q&A 加速するオンライン営業 〝ワクワク感〟の演出がカギ
住宅新報 2020年9月22日 号 18面
連載: ニュースが分かる!Q&A

先輩記者 ITを活用した重要事項説明(IT重説)の社会実験が継続されるらしいね。
後輩記者 売買取引のIT重説ですね。当初は9月末で終了でしたが、10月以降も継続することになりました。
先輩 やはり新型コロナの影響?
後輩 そうだと思います。なにせ実験に参加する登録事業者数が、確か今年の初めは数十社だったのですが、どんどん増えて今では760社以上になっていますから。
先輩 急増だね。コロナの流行によって、3密回避のために急にオンライン化が求められ始めたからなあ。
後輩 ただ、住宅営業の過程で、重説はそのごく一部です。例えば新築マンションの場合、資料請求などの問い合わせがあり、その後モデルルームなどに来場してもらい商談、購入を決めて重説、契約となります。
先輩 それらもどんどんオンライン化が進むのだろうか。
後輩 既にそれぞれの段階でオンライン化は進んでいます。ウェブ商談システムや内覧ツールも存在します。コロナとは関係なく、業務効率化や顧客の利便性向上のために、近年、多くの会社が非対面・書面電子化に向け体制を整備してきました。
先輩 でも、いくらツールが整っても、売買取引のすべてをオンラインで行うことはまだできないよね。
後輩 はい。宅建業法上、今は35条書面、37条書面は交付することが必要ですから。オンラインを進めている会社は、別途、それらの書類は郵送しています。
先輩 その辺は各社とも将来の宅建業法改正をにらんでいるということだろうね。
後輩 その通りです。国土交通省の不動産業課も基本的にはその方針で、いずれは書面の交付を必要としない取引も認める方向です。
先輩 現段階で各社がオンライン化を進めている理由は何なのかな。
後輩 新築マンションの販売などには様々な覚書を交わすなど書類はたくさんありますから、電子化できれば、お客さんの負担を減らすことができるし、不動産会社としても事務の効率化が図れるわけです。それに、営業マンとしては、ウェブ商談に切り替えることによって、移動時間がなくなり、1日の商談件数を増やすことができるという声も聞きます。ほかにも、海外在住の人や、地方に暮らす親と一緒に説明を聞きたいという場合にも、オンラインは便利なようです。
先輩 確かにそういうメリットはあるだろうな。ただ、問題はこれから営業のオンライン化が進むとしても、現物を見ることなく、契約まで至ることはできるだろうか、という点だ。特に自分が住むための住宅を得ようとする場合、やはり単にパソコン画面を見て説明を聞くだけではなく〝体感〟〝実感〟したいというニーズは強いのでは?
後輩 そうですね。そこがオンライン化を語るときの〝ラストテーマ〟だと思います。ただ、新築マンションの場合はもともとが青田売りですから。
先輩 そうだよな。〝体感〟をして買っているわけではないよね。
後輩 新築マンションの場合、マンションギャラリーがその役割を果たしています。当然現物は見ることができませんが、モデルルームで空間や設備を確認したり、建物模型で理解を深めたりするわけで、その範囲でバーチャル機器を進化させていくのだと思います。
先輩 情報を提供するだけでなく、ワクワクする気持ちに訴え掛けることのほうが、マンションギャラリーの重要な役割とも言える。
後輩 そうですが、取材を通して感じたことは、オンライン技術が進化すればするほど、人間のほうの感覚も変わってくるようで、少し怖くなりました。
先輩 自分の感覚をしっかりと持った上で、オンライン技術を取り入れないとね。






















