国交省 マン管新制度検討会 管理計画認定は4割程度想定 「申請に要決議」で懸念も
住宅新報 2020年8月25日 号 2面

会合では会議室とWeb会議形式を併用
国土交通省は8月18日、7月に発足した「マンション管理の新制度の施行に関する検討会」(座長=齊藤広子横浜市立大学教授)の第2回会合を開いた。6月に成立した改正マンション管理適正化法の定める新制度について詳細を検討する有識者会議で、今回は管理計画認定制度の基準を主題として議論を行った。
初めに、事務局を務める同省住宅局市街地建築課が、同制度の申請フロー等のイメージと認定基準の素案を提示。基準の設定については、「今回示したのはあくまでも素案だが、全体の3割から4割程度が認定される水準を想定している」と説明した。
申請時に提出する管理計画については今後省令で標準書式を定め、管理規約や長期修繕計画などを添付書類として求める。また同課は、厳格すぎる管理水準や多量の申請書類等によって、申請意欲の減退や申請者・認定自治体双方の過大な負担を招くことがないよう配慮し、実効力のある制度の構築を図る考え。実態調査等を踏まえた現実的なハードルを設定し、認定マンションには市場評価向上や区分所有者全体の管理意識の向上といったメリットを見込むことで、全体的なマンション管理水準の底上げを狙う。
各項目は比較的容易に
認定基準素案は、(1)修繕その他の管理の方法、(2)修繕その他の管理に係る資金計画、(3)管理組合の運営状況–の3分野を柱として、各分野に複数の項目を設定している。
(1)では、「長期修繕計画が集会で決議されている」「同計画の計画期間が原則25年以上かつ残存期間内に2回以上の大規模修繕工事を含む」など4項目の基準を設けた。
(2)は、(1)で挙げた計画に基づき修繕積立金の額が設定されていることをはじめ、「修繕積立金の総額が著しく定額でない」「管理費と修繕積立金が区分経理されていること」など7項目で、最も項目数が多い。区分経理については、会計帳簿等の添付書類を求めて確認する考えだ。
(3)は「管理者等」や「監事」が選任され、集会が年1回以上開催されていることなど5項目。なお(1)~(3)で設定した項目の一部では、同省による実態調査を基に、基準を満たす管理組合等の割合を提示。多くは7~9割で、比較的割合の低い項目でも、過半数の管理組合等が認定を受けられる水準に設定されている。
組合員の意欲が課題
委員らはこれらの素案を基に議論。いくつかの内容については懸念の声も挙がった。
一つは、計画認定のため申請を行う際に、区分所有法に基づく総会決議などが必要となる点だ。戎正晴委員(弁護士、明治学院大学客員教授)は「『申請したが認定されなかった』というリスクを避け、申請に消極的になる可能性もある」と指摘。また川上湛永委員(全国マンション管理組合連合会会長)は「管理組合にとっては総会決議自体が一大事。加えて、組合員が同制度の詳細を理解できるかも疑問だ」と見解を述べた。
これらに対して、「申請については理事会委任事項とする管理規約を総会で決議するという手段もある」(鎌野邦樹委員・早稲田大学教授)といった提案もなされた。
同検討会ではこうした議論や意見も踏まえ、新たにワーキンググループを設置して具体的・技術的な基準の検討・精査を進める。また次回は9月15日に第3回会合を開き、国の基本方針や助言・指導基準について検討する予定。


























