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スタンダード会員限定点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第14回 官民協働の町づくりに学ぶ 川越市 「小江戸」が一大観光地に

住宅新報 2020年8月18日 号 14面

連載: 点検 不動産利活用

総合
  • 蔵造りの町並みが人気の観光地

    1 / 2蔵造りの町並みが人気の観光地

 埼玉県川越市は、埼玉県の南西部に位置する中核市で、江戸時代の面影を残す町として「小江戸」と呼ばれて愛されており、多くの人が訪れる、蔵造りの町並みが人気の観光地である。川越市は都心から30キロ圏に位置し、東・西・北の三方を河川に囲まれており、古く江戸時代から陸路だけでなく水路を利用できる利点を生かし、江戸の台所を支える重要な物資の供給拠点として繁栄していた。

 ただ、江戸時代当時の建物は木造が多く、川越も2度の大火に見舞われており、特に明治26 (1893)年には町の約3分の1を焼失する川越大火に見舞われる。その復興にあたっては、寛政4(1792)年建築の大沢家店蔵が焼失を免れたのを見て、商人たちが防火性能の高い蔵造りを採り入れ、今日残るような蔵造りの重厚な町並みが形成された。なお、その際に川越のシンボルである〝時の鐘〟も焼失してしまうが、川越を愛する商人たちは自らの店や住まいも再建していない中で、真っ先に〝時の鐘〟を直したというエピソードがある。

 その後、昭和30年代後半以降になると、東京のベッドタウンとしての需要が高まり人口が急増するが、電車が開通したことによる影響で水路を利用した輸送の需要がなくなり、商業地の中心は川越駅周辺へと南下し、現在の観光地エリアは近代化から取り残されたような状態となってしまう。そのため、建物が建て替え時期を迎えても資金繰りが思うようにいかず、蔵造り商家の取り壊しが相次ぐことになるが、専門家による町並み保存の提言や、それに賛同する川越を愛する人たちによって、83(昭和58)年に市民団体である「川越蔵の会」が設立される。「川越蔵の会」の設立以降、蔵造りの再生活用の機運が高まり、商店街による各店舗の整備、自治会による町づくり検討等を経て、99(平成11)年には伝統的建造物群保存地区の決定がされている。

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