点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第13回 軌道に乗ったBRT 茨城県日立市 コンパクトシティへ快走
住宅新報 2020年8月4日 号 16面
連載: 点検 不動産利活用
本格的な人口減少社会において、地域住民の生活を支え、将来にわたって暮らし続けられる地域社会を形成していくためには、日常生活に必要な移動手段となる地域公共交通の維持・確保が重要となる。
廃線跡を専用レーンに 茨城県日立市は、高齢化への対応や環境負荷への配慮を視野に入れてBRT(バス高速輸送システム)の整備に着手している。日立グループの日立電鉄交通サービスと組んだ公設民営の「ひたちBRT」の運行を、13年にまず市南部のJR大甕(おおみか)駅以南の第1期区間(延長3.2キロ)で開始。19年4月には市中心部に近いJR常陸多賀駅まで延伸した第2期区間(延長6.2キロ)で本格運行を開始した。ひたちBRTは、05年に廃止された日立電鉄の廃線跡を活用し、専用レーン等を走行して鉄道に準ずる高速輸送・定時運行を実現する新交通システムである。
日立市は茨城県の北東部、東京からは約150キロ、県都水戸市からは約40キロの距離に位置する。「日立」の地名は、水戸黄門として有名な水戸藩二代藩主の徳川光圀公がこの地を訪れ、海から昇る朝日の美しさに「日の立ち昇るところ領内一」と称えたという故事に由来する。明治時代の後半に日立鉱山で銅の採鉱が始まり、その後、日立製作所の創業と共に大きな発展を遂げる。第二次世界大戦で軍需産業都市となった本市は、工場を中心に大きな被害を受けたが、高度経済成長期を通じて鉱工業生産を中心に復興・発展を遂げた。一時は人口が20万人を越えたが、現在では人口減少により17万人台まで低下した。























