点検 不動産利活用 持続可能社会への取り組み 一般財団法人 日本不動産研究所 第12回 完成期迎えた〝蔵の街〟リノベ 栃木市 真価が問われる再生計画
住宅新報 2020年7月28日 号 12面
連載: 点検 不動産利活用
栃木市は栃木県南部に位置する人口約16万人の都市である。市街地には蔵造りの家屋が並ぶ街並みが保存されていることから小江戸、小京都などと呼ばれ、観光地としての人気も高い。江戸時代には、日光例幣使街道の宿場町として栄え、市内を流れる巴波川の舟運を活用した商人町として発展を遂げた。喜多川歌麿ゆかりの地でもある。
中心部に遊休地 古い歴史や観光資源を有する栃木市であるが、人口減少に伴う市街地の空洞化が問題となっている。特に複合的都市拠点である栃木駅周辺の中心部でその傾向は顕著である。中心市街地の活力の低下は市全体の活気に影響を及ぼす。このような地域の変化に対応して、都市機能をより一層集約化していくことで都市の再構築を行うことが求められた。また、中心市街地には、旧栃木市役所本庁舎跡地や旧栃木警察署跡地等の大規模な遊休地が点在しており、中心部の活性化のための効果的な活用が求められていた。そこで栃木市は12.13年度に「まちなか土地利用調査」を実施し、市民の意見を参考にしながら地域の魅力向上や中心市街地の活性化・定住人口の増加等につながる土地利用の方針等を検討してきた。
そして栃木市が導入したのが「地方都市リノベーション事業」である。地方都市リノベーション事業とは、国土交通省が主体となって行う国の交付金事業である。この事業は、地方都市の既成市街地において、既存の建造物の有効活用、および民間活力の活用を図りつつ、持続可能な都市構造への再構築を目指し、市街地整備事業を支援する。そして地域の中心拠点・生活拠点の形成を推進し、地域を活性化することが目的だ。栃木市では、栃木駅を中心とした半径1キロ以内の中心部において、16~20年度の5年間に整備する活性化のための市の事業に対して、事業費の約5割を基本として国が支援する。























