姫路市の『のぞみ野』に見る 共創型まちマネジメント コミュニティを育む道づくり ▶(2) 横浜市立大学都市社会文化研究科長 齊藤 広子
住宅新報 2020年7月21日 号 3面
道で遊んではいけないの?
道で自転車に乗る練習、夏祭りにはおみこしを担ぎ、ハロウィンには堂々と道でゲーム。道をクローズとしているわけではないのですが、通過交通量が少なく、通る車はそろりそろりとスピードダウンしています。そのために、住宅地内への車の入口を小さく「この道に入ってよいの?」と思わせるつくり方をしています。入口にベンチを置いて公園のように仕上げ、その先が見えないので「行き止まり?」と思わせます。
更に、道路と各家の敷地が分からないようにし、道の仕上げ材にれんがを使うなどで見た目を魅力的にし、まち自体が1つの公園のように計画しています。これで車の通過量も少なく、入ってきた車もスピードを出すことを遠慮します。
こうした道について、別のプロデュースした戸建て住宅地でも「安心して子供が遊べる環境の道路が気に入った」「道路で子供が遊ぶ。親も一緒に遊び、その流れで食事を一緒にすることもある」「子供が庭の延長のように遊んでいる」「近所の人と顔を合わす機会が増えた」という声があります。
道路脇に置いたベンチでは夕方になればパパたちがビールを飲み、話しています。「誰かが外で遊んでいると子供がそのまま遊びに行く。お父さんたちがついてくれているので安心」「子供と外で遊ぶ。近所の人と立ち話をして豊かな関係が築けている」「公園まで行かなくても子供が見える範囲でいるのでよい」と評判は良く、コミュニティ形成に大きく寄与し、かつ人々の防犯意識も高めています。
まちの魅力を持続可能に
魅力的に仕上げた道路でも行政へ移管・管理が原則です。でも、自分たちが使うのですから、住民も管理します。行政と住民の管理のルールを明記した「まちかるて」を作成し、双方の担当者が替わっても内容が引き継がれます。
まちの魅力を創造し、維持するには、従来の硬直的な役割分担を超え、開発時に適正な仕組みを設定することが必要です。
さいとう・ひろこ=横浜市立大学都市社会文化研究科長、国際教養学部教授。大阪府生まれ。筑波大学都市計画専攻を卒業し、不動産会社勤務、イギリスケンブリッジ大学客員研究員、明海大学不動産学部教授を経て現職。博士(不動産学)。日本型HOA推進協議会会長。19年にのぞみ野で都市景観大賞優秀賞を受賞。著書に『初めて学ぶ不動産学:住まい・まちのマネジメント』等他多数。
























