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スタンダード会員限定地域連携で空き家を解決 三友システムアプレイザル常務執行役員 田井 政晴  ▶(5) 今の豊かさに気づくこと

住宅新報 2020年6月23日 号 3面

総合
  • 三友システムアプレイザル常務執行役員 田井 政晴氏

    1 / 2三友システムアプレイザル常務執行役員 田井 政晴氏

  • 地域の間伐材を活用したリフォーム提案書。古民家の断熱改修も提案

    2 / 2地域の間伐材を活用したリフォーム提案書。古民家の断熱改修も提案

毛呂山町での取り組み

 毛呂山町は東京の都心から1時間半、農村風景と分譲宅地が混在するのどかな町です。事業開始にあたり、町と空き家対策に関する連携協定を締結し、町のホームページで空き家調査員を一般公募しました。初年度は、参加者10名のうち5名の調査員を育成し、10軒の空き家調査を行い、うち5軒に対して利活用提案を行いました。

 トリアージ検討会議では、毛呂山町職員、東洋大学建築学科の研究者、地元不動産業者の丸善住宅販売などの専門家と空き家利活用の議論を行いました。地元精通者の市場に対する意見の見える化に努めた上で、リノベーション後の売却や建物取り壊し後の駐車場利用などの個別提案を行い、実際に提案した出口戦略の実現につながり、期待を上回る成果がありました。

地域の職人と協力 間伐材をリフォームに

 空き家調査員には様々な背景の方がいて、毛呂山町に移住して埼玉県西部地域の山林の環境保全のための間伐を行い、間伐材を使った製材、加工、販売を手掛けるNPO法人を運営している方もいます。19年度は、その空き家調査員のノウハウを活用して「空き家調査+間伐材を使った利活用提案」を行いました。

 所有者の承諾を得て空き家調査を行い、現実的な利活用提案を建築士と共に検討したあと、(1)地域の間伐材と本漆喰で作る空き家リフォーム提案、(2)造園家から学ぶ地域間伐材を使った庭の修景、(3)寒くない古民家を目指す断熱改修、などの空き家再生プランを提示しています。

 いずれの再生プランも地元の工務店や建材店、左官業者、造園業者などの協力により企画した地域体験参加型の空き家再生イベントとして提案をしました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、同イベントは中止になりました。

 空き家の利活用は、地域活性化のカギとなり、財産としての価値はなくても今の豊かさに気付くきっかけとなります。

 たい・まさはる=1965年生まれ。兵庫県姫路市出身。93年三友システムアプレイザル入社、不動産評価業務に従事、09年より取締役常務執行役員就任(現職)。現在は建物調査から機械設備・動産評価までの資産評価を担当、金融機関の担保評価、事業再生支援、事業買収(M&A)時の資産評価を手掛ける。17年事業性評価研究所を設立、専務取締役に就任。

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