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スタンダード会員限定残したい情景~文化的歴史的所産を巡る~ 第43回 徳島県 一般財団法人 日本不動産研究所 外国人にも人気の四国遍路 悠久の回遊型巡礼路

住宅新報 2020年3月10日 号 18面

総合
  • 発心門(右)を抜けると風格のある仁王門(下)が現れる

    1 / 4発心門(右)を抜けると風格のある仁王門(下)が現れる

  • 発心門(右)を抜けると風格のある仁王門(下)が現れる

    2 / 4発心門(右)を抜けると風格のある仁王門(下)が現れる

  • 本堂には弘法大師作の釈迦如来が安置されている(上) 焼失により再建された多宝塔(左)

    3 / 4本堂には弘法大師作の釈迦如来が安置されている(上) 焼失により再建された多宝塔(左)

  • 本堂には弘法大師作の釈迦如来が安置されている(上) 焼失により再建された多宝塔(左)

    4 / 4本堂には弘法大師作の釈迦如来が安置されている(上) 焼失により再建された多宝塔(左)

 阿波・土佐・伊予・讃岐の四国を巡る四国遍路は、全長1400キロにも及ぶ回遊型巡礼路として広く知られており、札所への巡礼は1200年を超えて継承され、現在も継続的に行われている。

一番札所の霊山寺

 20(令和2)年は、真言宗の開祖である僧の空海が、醍醐天皇から弘法大師諡号(しごう=諡は「おくりな」と読み「贈り名」を意味する)を贈られて1100年を迎える年にあたる。なお、四国八十八ヶ所霊場会事務所の配布資料によると、弘法とは「弘法利生~仏法を弘(ひろ)め、衆生を利する~」に由来すると言われ、歴史上、天皇から大師号を下賜(かし)された高僧は25名に上る。

 徳島県には、四国八十八カ所のうち、第1番札所霊山寺(りょうぜんじ)から第23番札所薬王寺(やくおうじ=徳島県海部郡美波町)までの寺院があり、今回紹介する第1番札所にあたる霊山寺は、JR高徳線「板東」駅から北東方へ徒歩で約10分の徳島県鳴門市大麻町板東に建立されている。

 霊山寺は、寺伝によると、天平年間(729~749年)に聖武天皇の勅願により行基が開祖したと言われている。正式名称である竺和山一乗院霊山寺は、山号が竺和山(じくわざん)、院号が一乗院(いちじょういん)を号した真言宗の寺院で、弘法大師が訪れた際、霊感を得て釈迦如来を刻んだと伝えられ、天竺の霊山を和国(日本)に移すという意味で、竺和山霊山寺と名付けたと言われている。

 霊山寺の配置は、本坊近くの発心の門をくぐると、入母屋造の楼門である風格のある仁王門が見えてくる。仁王門をくぐると、境内の配置は右手に鯉が泳いでいる泉水池、その奥に大師堂(だいしどう)、正面の参道を経て本堂が建立されている。現在の本堂内部は、天井から多数の釣り灯篭が吊されて美しく、弘法大師作と言われる釈迦如来が安置されている。また、境内の正面から左手にかけては、十三仏堂、多宝塔(たほうとう)が建立されている。多宝塔は、応永年間(1394~1428年)に建立されたが、天正年間(1573~1592年)に長宗我部元親の兵火により焼失し、後に再建された。明治24(1891)年の火事では本堂と多宝塔は焼失を免れたようだ。多宝塔は、下層が方形、上層が円形の造りで、文化庁の日本遺産によると600年近い歴史をもつ建物で、建物内には五智如来像が祀られている。

閏年は逆回り 今回は1番札所を紹介したが、遍路ではどこの札所からまわってもよいようで、徒歩のほか、車、自転車、観光バス等での巡礼も可能だ。今年は閏年にあたるので逆回り(左回り)で巡礼すると御利益が3倍になると言われている。

 私が徳島に赴任した約2年前、着任後の数日間はホテルに滞在したが、朝食会場で巡礼目的と思われる欧米系の旅行者が、白衣を着て、金剛杖を持った姿を見て、軽いカルチャーショックを受けたが、近年では外国人巡礼者も増えている。

(徳島支所/不動産鑑定士・石森慎吾)

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