都市再生特措法等改正案 軸はウォーカブルと防災 国会提出、税・予算措置も
住宅新報 2020年2月11日 号 2面
「滞在快適性等向上区域」として法改正案に位置付けられる「ウォーカブル都市」は、地域の特定のエリアにおいて、車中心から人(徒歩)中心の空間への転換を促す「居心地がよく歩きたくなる街中」の実現に向けた施策を創設、拡充するもの。官民連携による街づくりやコミュニティの活性化を促すため、予算と税制、金融分野などで個々の事業を支援する。
まず、将来の街づくりに向けたビジョンを描くため、地域の多様な主体が参画する「エリアプラットフォーム」の構築を図る。参画主体は、同法に基づき自治体が指定する都市再生推進法人のほか、行政や民間企業、住民、地権者、大学などを想定しており、同プラットフォームの構築そのもののほか、「未来ビジョン等策定」「シティプロモーション」「社会実験」といった各事業を補助する。
こうして策定したビジョンの具体化のため、自治体が「都市再生整備計画」を作成。そして同計画の中で、半径1キロ程度の重点施策エリア「まちなかウォーカブル区域」と、その周辺で環境整備を図る「都市再生整備計画区域」を指定する。具体的な個々の事業への支援は、原則としてこれらの指定エリア内で実施することが条件となる。
補助対象は、道路や公園など既存ストックの修復・改変、沿道民間施設を公共空間としてリノベーションする取り組みなど。「いわゆる〝ハコづくり〟ではなく、既存ストックの修復・活用に焦点を当てた」(同省都市局街路交通施設課の奥田謁夫街路交通施設安全対策官)という。
同様の事業を、税制でも後押しする。道路や広場等に使う土地・設備や、オープン化した施設の公共利用面積分について、固定資産税と都市計画税の軽減措置を設ける。
このほか、民間都市開発推進機構による金融支援制度(「まちづくりファンド」等)を強化し、ウォーカブル都市の実現に向けた事業を行う都市再生推進法人に対する低利貸付制度を創設する。
災害レッドゾーン対策を
もう一つの軸が、都市の防災力向上に向けた対策。主な内容としては、建築基準法等の規定する「災害危険区域」「土砂災害特別警戒区域」「地すべり防止区域」「急傾斜地崩壊危険区域」を総称した「災害レッドゾーン」など、災害リスクの高いエリアにおける開発を抑制し、既存の住居等の移転を促すことで、防災・減災に向けた街づくりを図るという法改正案だ。
具体的には、都市再生特措法と都市計画法の規定する開発許可を見直し、レッドゾーンにおいては従来の「自己利用以外の住宅・施設」に加え、「自己業務用施設」も規制対象とする。つまり分譲マンションや賃貸アパート、貸しオフィス、貸し倉庫などのほか、自社ビルや自社倉庫などもレッドゾーンでは原則開発禁止となる見通しだ。併せて、市街化調整区域の浸水ハザードエリアにおける住宅開発許可も厳格化した。
また立地適正化計画を強化し、同計画の居住誘導区域から災害レッドゾーンを原則除外する。更に市町村が「防災移転計画」を作成し、災害ハザードエリアから居住誘導区域への住宅・施設の移転を促す新制度を創設。予算面での支援も拡充する予定だ。


























