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プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A 気になるマンションの〝終活〟 2つの〝老い〟は自明だが難題

住宅新報 2020年1月28日 号 14面

連載: ニュースが分かる!Q&A

総合

 先輩記者 最近、老朽マンションの〝シュウカツ〟が話題になっているね。

 後輩記者 就活? あ、終活ですか。年数が経てば、建物は古くなるのは当たり前なので、所有者や管理組合としては〝最後〟をどうするのかを考えることは避けては通れないテーマです。建物の老朽化と区分所有者の高齢化を「2つの老い」と言いますね。

 先輩 今、国内のマンションストックは655万戸といわれている。その中で築40年を超える戸数は81万戸で1割程度を占めているが、それが今後はぐっと増えると試算されている。

 後輩 なぜ、ぐっと増えるのでしょう。

 先輩 分譲マンションは70年代以降に供給が本格化したからね。

 後輩 〝終活〟に直面するマンションが急速に増えるということですね。ところでマンションの〝終活〟とは具体的にどういうことを指すのでしょう。

 先輩 築年数が経てば、建物は老朽化し、設備も陳腐化する。高齢者が増えたのにエントランスにスロープがない、エレベーターもなく暮らしにくい、という問題が出てくる。住み続けるために考えられる選択肢としては、修繕や改修がある。それができなければ建て替えや売却になるだろうね。

 後輩 大規模修繕や建て替えとなると、区分所有者の費用負担など課題が多く、合意形成に時間がかかるといいますね。建て替えの場合、組合で話が出始めてから工事が終わって新しいマンションに引っ越し(戻る)までに平均5年かかると聞いたことがあります。高齢の区分所有者が多いと、資金面も厳しいし、今さら新しい環境に移ることに抵抗はあるでしょうから、計画が進みにくいのでしょう。

 先輩 確かに高齢になるほど環境変化を望まないことは1つの要因としてあるだろう。実は、マンション内の人間関係もこうした建て替え計画の進捗には大きく影響するらしい。

 後輩 というのは?

 先輩 建て替え計画の中心人物のことが以前から気に食わなかったので、建て替え計画にも反対する、というようなケースだ。

 後輩 同じ建物に暮らしているのだから、人間関係は良いことも悪いこともありますよね…。売却となるともっと大変なのでしょう。そういえば、数年前に敷地売却制度が創設されました。こちらも5分の4の賛成で敷地売却決議をして進めていくものですよね。

 先輩 その決議の前に重要な要件がある。そもそも耐震性が不足しているマンションが対象の制度であり、「要除却認定」を特定行政庁から受けることが必要だ。

 後輩 その後に売却決議ですね。でも、反対者が多くて決議できないことも考えられます。

 先輩 そう。要除却認定を受けると、建物を解体しなければならない。つまり、〝解体前提の耐震不足マンション〟の烙印を押されたことになる。その時点で、改修に切り替えることもできないし。所有している住戸を売却しようとしても、解体前提のマンションを買う人はいないよね。

 後輩 見通しが立ってからスタートする必要がありますね。

 先輩 マンションの終わりを考えることは大変だが、避けては通れない。行政もそのことを考えていて、今国会には、要除却認定の対象拡充や、団地内の要除却認定マンションの敷地分割を多数決で可能とする制度創設を盛り込んだ改正案が提出される予定だ。

 後輩 そういえば、定期借地権マンションには終わりがありますよね。初めから期間が決まっていますから。期間終了時には建物を解体して更地にして地主に返還ですよね。区分所有者は終了時にどう動いているのでしょう。

 先輩 まだ分からないね。

 後輩 なぜですか。

 先輩 定期借地権制度ができたのが92年。一般定期借地権は契約期間が50年以上だから、初期の定借マンションだってまだ終了時期を迎えていないんだ。

 後輩 そうでした。

 先輩 でも定借マンションの中には、次世代に引き継ぐために地主から土地を買い取る方向で検討を始めた管理組合があるらしい。

 後輩 なるほど。次世代が引き継いで、地主と再契約することや、マンションを地主が引き取って運営していくことも考えられます。

 先輩 いずれにせよ、集合住宅であるマンションは、区分所有者皆で考えていかなければならない。

 後輩 〝終活〟も〝就活〟も、自分の未来だからワクワクするものでありたいですね。

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