改正民法で何が変わる 監修・東京グリーン法律事務所 弁護士伊豆隆義 ▶(1) 実務に大きく影響
住宅新報 2020年1月21日 号 3面
改正民法は、法律行為の一般論を定める総則分野も改正され、時効に関する改正などの重要な改正がありますが、債権法分野の改正が特に重要です。
今回の改正では、当事者の意思に基づく取引であるという点に規律の重点がおかれているといえます。従来当然のこととされていた契約自由の原則を明文化し(改正法521条1項・2項)、契約をする意思が持てない場合、すなわち意思能力がない場合に契約が無効となることも明示しました(改正法3条の2)。後記の契約不適合の責任もその観点からの規律といえます。また、国民に分かりやすい民法との観点から、従来分かりにくかった危険負担の規定を整理変更し、貸金根保証の規定を根保証一般に広げています。賃貸借契約での敷金規定の新設や原状回復の範囲についての明示なども国民にわかりやすい民法の観点からおかれたものといえると思います。以下、売買と賃貸借を中心に取り上げます。
売買については、売主の担保責任をめぐる規律の抜本的見直しが最重要です。従前は、(特定物売買で)目的物に隠れた瑕疵がある場合に、売主に担保責任を認める瑕疵担保責任等が規定されていましたが(旧570条)、その効果や債務不履行との関係につき諸説ありました。改正民法は、売主に契約内容に適合した物・権利を供与すべき義務があることを前提として、その契約責任の不履行に対する買主の救済手段を統一的に定めることとし、従前売主の担保責任として規定していたものを債務不履行責任に統合しました。そのため、「隠れた」瑕疵であることは要件ではなくなり、隠れていない不具合でも売主が責任を問われる場面が出てくることになります。























