国交省 社整審建築環境部会 「トップR志願」など課題指摘 省エネ基準審議結果を報告
住宅新報 2019年11月19日 号 2面

合同会議で検討した内容を解説
今回報告が行われたのは、5月に公布された改正建築物省エネ法に基づく省エネ基準の改正について、国交省の小委員会と経産省のワーキンググループが合同会議で審議した内容。両省は10月に議論の取りまとめを作成しており、これを基に報告が行われた。
冒頭に国交省の眞鍋純住宅局長が、同改正法の成立経緯や技術的な基準の検討過程、今回の報告の趣旨などを説明。「報告事項や今後の建築物省エネルギー対策の方向性について、ぜひ忌たんのない意見を」と議論を促した。
続いて、国交省住宅局住宅生産課が、同改正法や両省合同会議における審議の概要を説明。11月1日の政令閣議決定により、新たな住宅トップランナー制度や、共同住宅の省エネ評価方法の簡素化といった新施策が始動したほか、今後施行予定の「8地域(沖縄県)の外皮基準の見直し」「気候風土適応住宅(今週のことば)に対する省エネ基準の合理化」といった項目についても紹介した。
またこうした制度改正の詳細を事業者に周知するため、11月から全国で計210回の説明会を実施(または予定)しているほか、20年度にも計430回の説明会を行うスケジュールが明らかにされた。
建築士の意識に差
こうした報告を受け、出席した委員からは複数の質問や意見が投げかけられた。
その中の一つが、「注文住宅の年間供給戸数が300戸未満で指定対象外となる事業者でも、住宅トップランナー制度への志願を可能とする案が審議過程で挙がっていたが、その制度の整備状況は」というもの。供給戸数の比較的少ない地域工務店でも、省エネ住宅施工の意識や技術、実績が高い事業者については「トップランナー」への志願を認めるべきという案だ。
これについて同課は、「まだ具体化していないものの、工務店系の業界団体からも要望を受けている制度であり、実現に向けた準備を進めていきたい」と回答している。
また同改正法の説明会については、「自発的に参加する建築士は一部に限られているのが現状。広く参加を促す対策を考えていくべき」という指摘もあった。同課は「周知を図るため、広報のほか各団体へのアプローチも行っている」とし、深尾部会長は「もう少し、参加者に対するインセンティブを検討してもよいのでは」と意見を述べた。
住生活基本計画にも言及
加えて制度全体に対しては、「(省エネ性能の基準が)断熱性能の基準にすり替わってはいないか。現実として日本人の貧困化が進んでおり、電力料金の重みが増している現在では、キロワット時として具体的な電力消費量と料金を示すべきでは」という意見もあった。続けて、「同法には貧困者の実態を見ていない面もあり、今後はそういった点も意識していくべき」など、賛同する声も挙がっていた。
とはいえ、貧困層の住環境というテーマは同法の範囲を超えるとして、同課は「現在、住生活基本計画の見直しに向けた議論が行われており、その中でも検討していきたい」という姿勢を示した。
このほかにも、複数の意見が交わされ、同課の武井佐代里課長は「今回の意見を基に、同改正法の円滑な施行につなげていく」と述べた。


























