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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 90 日本不動産仲裁機構 災害と不動産に関するADR

住宅新報 2019年10月29日 号 11面

連載: ADRの現場から

総合

 最近では台風19号が日本列島に上陸、猛威を振るい、10月22日の時点で13都道府県で84人の死者を出す災害(報道機関調べ)となりました。台風の脅威のみならず、地震の発生等、日本は世界的に見ても災害が多い国として知られていますが、災害は人と人とのトラブルを引き起こしてしまうこともあります。例えば、11年3月11日に発生した東日本大震災においては、多くのADR事案が発生しました。中でも不動産に関する事案が多く発生しているのです。ここでは(1)入居者と賃貸オーナーのトラブル、(2)隣人同士のトラブルについて紹介していきます。

 (1)入居者と賃貸オーナーのトラブルとしては、震災と原状回復に関する事例があります。入居者A氏の住む物件では、被災によって戸棚の開閉ができなくなり、使用不能となりました。また、お風呂に湯が張れなくなってしまったため、銭湯を利用することとなりました。幾度となくオーナーであるB氏に修理を依頼したのですが、B氏は被災した物件を数多く所有していたため、なかなかA氏の物件の修理をすることができず、結果的に修理が済むまでに7カ月を要しました。

 この間、不便ながらもA氏は当該物件において生活ができていたのですが、やはり満額の賃料を払うことには抵抗があるとして、この7カ月間に支払った賃料の半額を返却するよう依頼をしたのですが、B氏がこれに応じなかったため、トラブルとなりました。ADRの話し合いの結果としては、A氏がB氏の修理対応遅れは仕方のない部分もあると理解を示したため、賃料の2割の返却を提案。B氏もそれを了承したため、和解となりました。

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