地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 115 アートで地域の訴求力アップ(2) 瀬戸内芸術祭、期間以外にも集客
住宅新報 2019年10月29日 号 11面

アートの島、直島から瀬戸内を望む
地域と世界を結ぶ
3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、インバウンドにも成功している。瀬戸内の小さな島、「直島」のことを多くの外国人が知っているるのは、瀬戸内芸術祭がきっかけだという。現代美術を通して瀬戸内海の魅力を世界に向けて発信したことが、知名度向上につながった。
瀬戸内国際芸術祭は、第1回が10年に始まり、期間中、瀬戸内の島々に美術作品が展示され、アーティストや劇団・楽団などによるイベント、地元伝統芸能・祭事と連携したイベントが行われた。島の住人と世界中からの来訪者との交流が行われ、島々は活力を取り戻しつつある。
アートの切り口
中でも台湾や韓国からの来訪者が多いが、それは香川県の高松空港には台北、ソウルの直行便が就航しているからだ。香川県は、国際線誘致による海外集客に力を入れていて、瀬戸内国際芸術祭にも好影響を与えている。一方、ヨーロッパからはフランスが多い。それは直島にあるベネッセの美術館に起因している。もともとはベネッセが建てた現代美術館が、長年フランスで紹介されてきており、知名度が高い。
漠然と瀬戸内の小さな島々の魅力を海外に紹介するのは難しいが、アートと絡めていくと切り口にエッジが効く。
広報活動を推進
ここ最近は、トリエンナーレの開催年以外にも好影響をもたらしている。例えば、香川県の関係者によると、16年に外国人宿泊者数が大幅に伸びた理由は、「瀬戸内国際芸術祭」の開催年だったからと分析されている。ところが、外国人観光客数の伸びは、同芸術祭が開催されていない17年でも見られるようだ。17年の香川県の外国人延べ宿泊者数の推移を見ると、同芸術祭が開催された8月こそ前年比でマイナスになっているものの、それ以外の月は増加しているのだ。
これは何を意味するのだろうか。瀬戸内国際芸術祭の認知度向上が、香川県のインバウンド市場に大きく寄与しているといっても過言ではない。海外広報活動として、大きく3つの柱があるのだ。1つが、海外メディア・旅行エージェント等に対する現地PR。2つ目がメディアの招へい事業。3つ目が日本政府観光局(JNTO)海外事務所を通じた広報だ。広告効果に換算すると数億円規模といわれている。アートをフックに認知度向上に成功だ。






















