ニュースが分かる! Q&A 相次ぐ災害に国が支援拡充 一部損壊を災救法対象に
住宅新報 2019年10月22日 号 20面
連載: ニュースが分かる!Q&A
弟 いやあ大変だなあ。
姉 会うなり何よ。
弟 そりゃあ、先日の台風19号に決まっているじゃないか。姉さんのところは大丈夫だった? 各地のタワーマンションで被害が出たってニュースで見たけれど。
姉 お陰さまでね。家族皆無事だし、浸水も停電もなかったわよ。ごく一部の被害を取り上げて、針小棒大に騒ぐのはやめてほしいわね。
弟 う、うん。ごめん。
姉 きちんと設計・施工してあるマンションなら災害への対応力は高いし、第一想定外の災害に対してはどんな建物だってある程度の……。
弟 わかった、わかったよ。落ち着いて姉さん。
姉 え、ええ。ところであなたの家こそどうなの? 台風15号でも被害があったって言ってたじゃない。
弟 そうなんだよ。15号で屋根をやられたんだけれど、「屋根の被害だけだと国の支援は受けられない」って聞いて落ち込んでいたところに、19号で今度は雨漏りさ。もう踏んだり蹴ったりだよ。
姉 それは本当に災難ね。でも待って、被害の状況によっては支援金が受けられるかもしれないわ。
弟 どういうこと? 正直、初めてのことで制度がよく分からないんだ。
姉 じゃあ簡単に説明するね。まず台風に限らず、自然災害の被害者を助けるための法律として「災害救助法」(災救法)があるの。これは災害時の応急救助の法律として、飲食料品や医療など色々な項目があるんだけれど、その中の一つが住宅の応急修理。
弟 その辺りは知ってる。
姉 この応急修理だけれど、一定以上の被害しか対象にならないってことよね。正確には、「損壊」基準の場合、住家の延べ床面積に占める損壊、焼失、流失部分の割合が20~50%の〝半壊〟、もしくは50~70%以上の〝大規模半壊〟という区分だけが対象で、内閣府によればどちらも応急修理費用として58.4万円の支援があるの。70%以上の〝全壊〟は修理しても住めないという扱いで原則対象外よ。ちなみに「損害」基準の場合は、経済的被害の損害割合が20%以上で半壊、40%以上で大規模半壊、50%以上で全壊となるわ。どちらも20%未満は〝一部損壊〟ね。
弟 屋根だけだと20%未満の被害認定になるのかな。
姉 そうなるわね。算定方法は細かく分けられているんだけれど、全体に占める屋根の構成割合は15%とされているの。だから被害が屋根だけだと、最大でも住宅の15%の被害ということで災救法の支援は受けられないわね。
弟 ちょっと待って。その理屈だと、半壊より悲惨な全壊も支援なし?
姉 その場合は、被災者生活再建支援法という別の法律の対象かな。全壊で300万円、大規模半壊は150万円の支援金を受けられるけど、こちらは半壊以下が対象外。
弟 どちらにせよ、ウチの場合は対象外か……。
姉 だから待ちなさいってば、むしろここからが本題よ。台風15号の場合、屋根のみの被害でもその後の雨で居住への被害が大きかったこともあって、補修時に耐震性向上措置も加えれば、「防災・安全交付金事業」とみなして国が一定額を負担してくれることになったのよ。
弟 被災者支援というより、「住宅性能アップのために行政が支援する」という体裁にしたのか。
姉 そういうこと。一部特例措置もとられたけれど、既存制度の範囲で被災者支援拡大の筋道をつけた形ね。詳しくはこの住宅新報19年10月1日号2面を見なさい。更に10月7日には、政府が災救法の応急修理対象自体を拡大する方針も示したの。〝一部損壊〟のうち、10%以上の被害も支援対象とする予定で、告示改正による恒久措置になる見込み。今年度発生した災害による災救法の適用自治体が対象だから、諦めちゃダメ。
弟 そうなのか。幸い、地元でいつも頼んでいるリフォーム屋さんがすぐ直してくれたから今はいいけれど、防災仕様でなくても屋根修理は結構高かったから、支援金がもらえるなら助かるなあ。
姉 ええと、既に修理の終わった住宅は対象外よ? 災救法の原則は「現物支給」だから、対象となる修理の工事を自治体が事業者に発注する形で、現金支給は無いの。
弟 そうなの?
姉 そうなの。
弟 いやあ、大変だぁ……。






















