台風19号で住宅浸水5万棟超 各地で甚大な被害、業界も対応
住宅新報 2019年10月22日 号 1面
10月12日、非常に強い勢力の台風19号が本土に上陸。各地で記録的な暴風と豪雨をもたらし、関東や東北、中部地方など広い範囲に甚大な被害を与えた。
特に、想定を超える規模の豪雨により、河川の増水や氾濫、堤防の決壊などが数多く発生。総務省消防庁のまとめ(20日午後12時45分現在)によると、人的被害は死者68人、行方不明12人、重傷30人、軽傷371人。また河川の氾濫などにより、浸水をはじめ住宅への被害は極めて大きかった。同まとめでは全壊122棟、半壊864棟、一部破損2682棟、床上浸水2万9982棟、床下浸水2万3103棟とされている。
同台風の規模や進路は事前にある程度予測されていたため、多くの自治体が住民に避難指示等を実施。台風上陸直前の12日午後5時時点には、避難指示(緊急)が9都県40市町村で40万2132世帯93万6133人に、避難勧告が17都県228市町村で283万7176世帯637万5039人に発令された。にもかかわらず、多数の人的被害が発生するなど、大きな爪あとを残す災害となった。
こうした状況を受け、政府や国土交通省をはじめ関係各省庁は非常災害対策本部会議を設置。被害に関する情報収集と、人命救助や物資支援といった対応を行っている。
また国交省の住宅・不動産関連部局は、地方自治体と災害時の協力協定を結んでいる業界団体を中心に対応を要請。16日現在では、全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、全日本不動産協会(全日)、プレハブ建築協会(プレ協)、全国木造建設事業協会(全木協)、全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)、日本賃貸住宅管理協会(日管協)に連絡を行った。
要請の内容は、官民の情報共有を密にするほか、各団体の事業分野に応じて、被災者への民間賃貸住宅の情報提供やあっせん、会員企業管理物件の早期点検と復旧対応、応急仮設住宅またはみなし仮設住宅の整備体制の準備など。また災害救助法の対象自治体が指定されるに伴い、受け身の姿勢でなく積極的なコンタクトを図ることも求めた。
加えて、日本不動産鑑定士協会連合会(鑑定協)も、住宅被害調査の支援に向けた体制を整えている。都内では自治体職員からの現地動向調査要請に備えているほか、福島県や宮城県内の自治体からは既に支援についての相談も寄せられているという。
不動産協会は、現状では会員各社が個別に対応している状況で、今後、被害状況などを集計することも検討中。また、復旧・復興支援については、義援金などを実施する方向で調整している。
全宅連はハトマークサイトで、全日ではラビーネット不動産でそれぞれ被災者向けの賃貸居住用物件の情報を提供している。
マンション管理業協会(管理協)は、会員各社の管理受託マンションの被害状況ヒアリング調査を行う予定だ。
業界の大手企業も対応に動いた。積水ハウスは13日時点で同社内に災害対策本部を設置し、情報収集や復旧活動などを進めている。大和ハウス工業は17日、グループで建築した建物や管理受託物件のオーナーと入居者に対し、同グループの管理する賃貸住戸を無償提供すると発表した。
大手不動産企業では、複数の企業で引き渡したマンションの一部に被害は出ているものの、所有するオフィスビルや商業施設、ホテル、物流施設などに大きな被害は確認できなかった模様だ。
























