残したい情景~文化的歴史的所産を巡る~ 第22回 山形県大蔵村・飯豊町 一般財団法人 日本不動産研究所 「日本で最も美しい村」宣言 市場価値で測れない原風景
住宅新報 2019年10月8日 号 14面
農業王国山形は米の生産量全国4位である(農林水産省「平成30年産水陸稲の収穫量」)。県内の稲作地帯では広大な庄内平野が有名だが、平地は限られるため、山間部の傾斜地に先人が苦労して開墾したであろう棚田もみられる。全国的には石川県輪島市の白米千枚田、千葉県鴨川市の大山千枚田などの棚田が有名であるが、県内では県の北東部、新庄市に隣接し月山の麓に位置する大蔵村に四ヶ村(しかむら)地区の棚田がある。
情感あふれる大蔵村
村の中心部から南へ約10キロ、山間ではあるものの広々と拓けた台地上に小規模な集落が点在する中、傾斜地に広がる棚田が見えてくる。今回訪れたのは9月中旬で、稲穂が黄金色に染まり始めていた。斜面地で水利等の条件が容易ではない土地を開墾し、先祖代々維持管理してきた棚田は、そこに暮らす人々にとっては長年にわたって日々の暮らしの営みを続けてきた場であり、決して誰かに見せようとして形作ってきた風景ではないだろうが、昔話で聞かされたようなこれぞ日本の原風景という赴きを感じさせる場所である。























