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スタンダード会員限定外国人との共働、本格化の時代 体制整備進める国と建設業界

住宅新報 2019年8月6日 号 18面

総合
  • 3月に行われた「特定技能制度」説明会には多くの業界団体関係者が参加した

    1 / 23月に行われた「特定技能制度」説明会には多くの業界団体関係者が参加した

  • 建設現場で働く外国人(国交省資料より)

    2 / 2建設現場で働く外国人(国交省資料より)

 不動産事業を形にするに当たっては、優れた施工力がなければ、優れた企画も絵に描いた餅となりかねない。しかし周知の通り、建設現場における大工など職人の不足は、20年東京五輪に伴う建設需要など一時的な要因もあるものの基本的には今後も継続する見込み。「人手不足」は人件費の上昇や施工品質の不安定化などにもつながり、近年のマンション高額化の一因とも言われている。

新たな制度と組織

 そうした中、建設分野に限らず幅広い業界からの要望に応える形で、政府は外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切り、18年12月には改正入管難民法(出入国管理及び難民認定法)が成立。19年4月に新たな外国人在留資格「特定技能」が創設された。当初5年間で、対象14分野の外国人労働者を最大34万5150人を受け入れる見込みで、建設分野はそのうち4万人を占める。

 以前から建設現場では「技能実習生」「建設就労者」として相当数の外国人が働いているが、令和の時代に入り、国内の住宅づくり・街づくりの担い手として、外国人の存在感が一層高まっていくことは確実と思われる。

 とはいえ、労働環境や雇用企業による待遇の問題など、外国人労働者にまつわる問題もまた多いのが実態だ。そこで「特定技能外国人」の受け入れ事業の実施に当たり、法務省令に基づき、4月に「建設技能人材機構」(JAC、理事長・才賀清二郎建設産業専門団体連合会会長)が設立された。

 企業が「特定技能」の外国人を雇用するためには、同機構への加入(同機構加盟団体への所属でも可)が必須。そして同機構が外国人材受け入れに当たっての「行動規範の策定及び当該規範の適正な運用」(同機構定款より)を担うことで、「特定技能」外国人の労働環境の水準を担保するという仕組みだ。

 同機構は外国人材の雇用に際し、原則として日本人と同等の待遇を求めている。更に「同一労働同一賃金」「月給制」「キャリアアップシステムの適用」など、日本人を含めた建設労働者の待遇改善も意識している。

技能実習も告示で基準強化

 逆に言えば、建設労働の現場では「不十分な待遇」が目立っているということでもある。外国人材を「安価な労働力」とだけ考え、自分たちに都合のいいよう条件や環境で雇用している企業は、残念ながら少なくないようだ。

 実際のところ、前述の技能実習生のうち、建設分野は失踪した外国人の数が最も多い。理由として挙げられているのは「工事ごとに就労場所が変わる」など業種特有の事情もあるものの、「日給制のため季節により仕事が減って賃金が下がる」といった待遇への不満も大きい。

 そこで、「特定技能」との制度的な整合性を図る意味合いもあり、国土交通省は7月5日に建設分野の技能実習生の雇用・保護に関する告示を制定、公布。20年1月から施行する。

 同告示では、技能実習制度による外国人雇用に当たり、「(企業、実習生共に)建設キャリアアップシステム<今週のことば>への登録」「安定的な報酬」を義務付ける。加えて、「原則、技能実習生の数が常勤職員の総数を超えないこと」という規制を新たに設けた。つまり、外国人に対して安定した報酬を支払い、就業履歴の適正管理で経験に見合った処遇へと改善を図ると共に、事業者が雇用する外国人の人数制限を強化した告示だ。

受け入れ計画を初認定

 そして7月31日には、「建設特定技能受入計画」が初めて同省に認定された。認定を受けたのは1都3県の5企業で、人数は計9人分。計画で示された月額基本給は23万円から28万円までで、2号技能実習生の月額平均賃金16万8201円や外国人建設就労者の同22万1343円(いずれも同省18年度実態調査より)を上回っている。

 同計画は雇用体制に関する認定であり、今後出入国在留管理庁で在留資格認定などの審査が行われる。つまり現時点ではまだ建設分野の特定技能外国人の受け入れが確定したわけではないが、制度の利用自体は着々と進んでいると言えるだろう。

 このように、告示や受入計画の審査などで一定の規制が設けられているものの、裏を返せば外国人の雇用には多くの課題が残されている。しかし労働に関わる問題の解決には、直接関わる企業の意識が変化が重要だ。それは住宅・不動産業界においても、決して他人事ではないはずだ。よりよい企画・開発の実現へ向け、「外国人と施工現場」についても当事者としての意識を向けるべき時代に入っているのではないだろうか。

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