地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 106 連携が活性化のカギになる(2) 中部地方「昇龍道」でプロモーション
住宅新報 2019年8月6日 号 3面

中部地方のエリアを竜に見立ててイラストマップ化した
知らないから行かない
インバウンドで地方に来てもらうためには、知名度が大きな要因になる。例えば北海道が人気の理由として、「知っているから」というアンケート結果があるほどだ。逆に素晴らしい観光コンテンツがありながら、知名度がないために訪日観光に苦戦していたエリアがある。それは、中部地方だ。温泉百選、百名山、国宝天守閣など、観光資源の豊富さは十分に知られている。ところが、海外では、ほとんど知られていなかった。国内と海外での知名度のギャップが、このエリアの弱みであるのだ。
JNTO(日本政府観光局)が、10年前、中華圏の訪日観光を扱う旅行会社115社にアンケートした結果、販売に力を入れたい日本の地域は、1位がゴールデンルート(東京―大阪間)、2位が北海道、次いで沖縄、東京、関西で、中部圏はランク外であった。 理由として、中部各県のトップセールスが単発的で、各地域のPRを自治体、団体がバラバラに実施しているため、エリアとしてのインパクトに欠けるのだ。
昇龍道が生まれた
そこで、中部地方の各地域が連携して知名度の向上に力を入れるようになり、「昇龍道プロジェクト」が立ち上げた。プロジェクトの発足は12年1月で、3月には、推進母体となる「昇龍道プロジェクト推進協議会」をスタートさせた。このことが中部・北陸エリアのインバウンドの流れを創出する契機となった。
ところで、「昇龍道」とは具体的には、能登半島を龍の頭に見立てて三重県にわたる南北(縦)の軸を龍の姿に重ねてイメージし、命名された。 「昇龍道」の名付け親は、中国総領事の張立国氏だ。龍は、中華圏ではとても良いキーワードだ。吉兆などを表すポジティブなイメージがあり、めでたさに通じるのだ。
実績が出ている
協議会事務局の主な役割は、昇龍道として一貫した海外向けプロモーションの実施および昇龍道エリアの観光力とホスピタリティの強化だ。7年前の昇龍道「9県の合計」が、251万人泊から昨年の18年は1907万人泊と7年で7.6倍になった。もちろん全国でも訪日外国人が増えているが、伸び率でいえば平均を大きく超える。
この「昇龍道プロジェクト」によって中部・北陸地域の知名度を向上させ、中華圏からのインバウンドの増進を図って成果が出ているようだ。






















