ニュースが分かる! Q&A 高経年マンション再生 修繕計画、積立金に課題あり
住宅新報 2019年7月30日 号 16面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者A 高経年マンションの建て替えが問題になっているな。今後、建て替えは増えそうだし、いろいろと面倒な問題が多そうだ。
記者B 国土交通省のデータ(18年末現在、19年5月29日更新)では、築40年超のマンションは現在、81.4万戸で、ストック数に占める割合は約1割。5年後には138.1万戸、10年後には197.8万戸となる見通しを示している。
A ものすごい勢いで増えていくのだな。
B 旭化成不動産レジデンスは小規模マンションの建て替えに注力していて、再生問題の研究も進めている。これまでメディア懇談会を何度も開いており、今年は7月に開催し、貴重な資料等を公表している。
A 同社はマンション建て替え事業では全国でもトップクラスの実績(工事中を含め33件)があるし、研究熱心だね。
B 同社の建て替えは従前戸数30戸程度が主流で、都心の小規模マンションの再生問題では参考になる点が多いよ。今回は、建て替え決議集会の招集通知の分析データも公表された。
A ほう。
B 建替え決議の招集に際しては、建て替えを必要とする理由、建て替えをしない場合に建物の効用の維持または回復にかかる費用とその内訳、修繕に関する計画が定められているときはその計画内容、修繕積立金の金額など4点が区分所有者に通知すべき事項となり、それをベースにして分析されている。
A 面白そうだな。
B 同社が事務局となって建て替え決議を行ったマンション22事例の分析だが、興味深い。例えば長期修繕計画があったのは2件に過ぎなかったとかね。
A サンプル数が少ないとはいえ、1割以下か……。なんとも言いようがないね。
B 国交省のマンション総合調査(18年度)では90.9%が長期修繕計画を作成していると回答されているがね。同社の実感としては、建て替えを検討し始めているようなマンションでは、同計画がないケースが多いと感じているようだよ。同計画のあった2件は74年分譲の団地(戸数120戸)と81年分譲のマンション(同84戸)で、いずれも管理会社が全面的に管理の委託を受けている。
修繕積立金に関して
A 修繕積立金のほうはどうなの?
B 1戸当たり修繕積立金は400万円超が2件あったが、総じて低いね(表1参照)。1戸当たりが400万円を超えていた理由が面白い。修繕を適切に行っていなかったので、蓄積されたケースもあるのではないかと推測している。
A やれやれだぜ。
B 修繕積立金と、建物の効用の維持に必要な費用、回復に必要な費用の倍率の比較も行われている。効用の維持に必要な費用が修繕積立金の3倍超となるケースが15件のうち9件。効用の維持と回復を合わせた費用では、修繕積立金の5倍超となるケースが15件のうち9件(表2参照)。
A 想像はしていたが。
B しっかりと数字に表すのは貴重だ。高経年マンションの問題は社会的なテーマでもあるし、今後とも同社の研究・分析に期待したい。
























