マンション建替事例を研究 旭化成不レジ 敷地の制約を克服
住宅新報 2019年7月9日 号 11面

アトラス四谷本塩町
旭化成不動産レジデンス(東京都千代田区、兒玉芳樹社長)は7月1日、都内のホテルで「高経年マンション再生問題 メディア懇談会」を開いた。同懇談会は12年から開いており、8回目の開催。今回は小規模マンションが抱える課題がテーマ。東京都新宿区にある、旧四谷コーポラスを建て替えた分譲マンション・アトラス四谷本塩町(写真)の現場見学も実施した。
同社はマンション建て替え事業で33件(工事中含む)と全国でもトップクラスの実績を誇り、そのうち18件は従前戸数が30戸程度の小規模マンションだ。
都心のマンションは小規模で複合用途型が多い。また、リノベーション再販の課題もある。建て替えを前提としたマンションの評価は再建後のマンションの総販売価格(原価)から再建にかかるコストを差し引き、各区分所有者の持ち分割合で配分するもの。同社マンション建替え研究所の大木祐悟主任研究員は「リノベーション後の市場流通価格が建て替えを前提とした評価よりも非常に高くなるケースがある」と指摘した。
旧四谷コーポラスは民間初の分譲マンション事業。兒玉社長は「地権者の思いが込められたプロジェクトだった。9割を超える地権者に再取得していただき、建て替え決議からわずか2年半で竣工できるのもありがたいこと」と言及する。
アトラス四谷本塩町は8月に竣工する。敷地面積は996m2で、鉄筋コンクリート造の地上6階地下1階建て(旧四谷コーポラスは地上5階建て)。延べ床面積は容積対象外の約1265m2を含め3970m2(同2290m2)で住戸数は販売戸数28戸含め51戸(同28戸)。建て替えでは地権者それぞれの要望に応え、間取りは33パターン。一般分譲は既に完売している。
都心の小規模マンションの建て替えでは、敷地条件に制約が発生しやすい。旧四谷コーポラスの場合、細長く、南に向かって登っていく高低差といった敷地制約があった。
そのため、地下にエントランスを設置し、その奥に地下住戸を設け、容積対象外で約176m2の専有面積を回復。白を基調にしたドライエリア(窓先空地)で「地下」を感じさせない趣向も凝らした。また、地下1階部分の内廊下・通路・ドライエリア部分を本体から持ち出す工夫を凝らしたことで、地上7階建ての構造計算よりも合理性を高めている。






















