残したい情景~文化的歴史的所産を巡る~ 第8回 富山県入善町 一般財団法人 日本不動産研究所 地下と海底がもたらす恵みの水 美しい風景を守る好循環
住宅新報 2019年6月25日 号 24面
富山県の北東部で県境周辺に入善(にゅうぜん)町がある。北アルプスを源とする黒部川が形成した扇状地からは地下水が湧き出ており、県内では「水」の美味しい町として知られている。名水と肥沃な土壌から良質な米が育まれる米どころであり、また形状がラグビーボールに似た重さ10~20キロほどの巨大スイカ(入善ジャンボ西瓜)の産地でもある。〝水〟が豊富な入善町の〝水〟に関わる風景や施設を紹介したい。
癒やしもたらす湧水
黒部川扇状地の末端で海岸に近い地域に群生する自然林である。かつては100ヘクタールを超える平坦な湧水地にスギなどが群生していたが、圃場整備事業などにより伐採が行われ現在は3ヘクタールほどしか残っていない。林内は湧水により冬も比較的暖かいことから暖地性の植物が生育している。また、黒部川の氾濫で山から流れてきた種子などが繁殖して山地性の植物も見られる。暖地と山地の植物が混在し生育しているところは全国的にも珍しいようである。林内に入ると木々の間を縫うようにして遊歩道が整備されている。林内は閑静でゆったりとした時が流れており、木々の群生は幻想感を醸し出している。森林浴をたっぷりと楽しむことができ、癒やし効果抜群のエリアである。























