空き家活用事例(3) 社会での学びの場に 横浜市立大学「寄宿舎と期間限定活用」
住宅新報 2019年6月11日 号 3面
横浜市立大学は、産官学で取り組んだ寄宿舎用の国際交流型シェアハウス「プライム コネクト 金沢文庫」と、期間限定での地域コニュニティスペース「ふらっと」の2件の空き家利活用を行っている。
同大学には学生寮がなく、安価で安心な住宅を地方の学生や留学生に提供したいという、授業の学生提案から始まった寄宿舎用の国際交流型シェアハウス。同大学と京浜急行電鉄、横浜市金沢区の三者による「ヨコイチ空き家利活用プロジェクト」で、16年度に木造2階建て三軒長屋の空き家(延べ床面積約149m2)を8部屋のシェアハウスに改修した。
三者の分担は、京浜急行グループが空き家を購入・所有し、耐震改修を含むリノベーションと家具等の整備、物件管理を担当。同大学は利用側の希望をまとめ、一括で借り上げて入居学生の募集を行う。同区が、町会へのあいさつなど地域への受け入れ推進を担当した。
半年や1年間の交換留学生や、地方出身者が経済的な負担が少なくてすむよう、家具一式を備え、バス・シャワールームは3カ所で、個室は各6畳の広さだ。リビングダイニングには、留学生に日本文化に親しんでもらうよう畳のスペースも設けた。家賃は光熱費・管理費・ネット料金込みで、月5万4000円。学生の意見を取り入れ、大学まで徒歩約20分、自転車で約7分に位置し、今年で運営3年目を迎えた。
コミュニティスペース「ふらっと」は、築40年の平屋の空き家を学生たちがDIYによって改修し、フリーマーケットや野菜の販売会のイベント開催、すまい・空き家相談会、カフェといった地域交流の場に活用している。
同大学が産官学で空き家活用に取り組んでいることを聞いた、空き家のオーナーから京急不動産に話がつながり、18年12月から19年7月までの期限付きで大学とオーナーで空き家利用のルール(家賃はないが、光熱費と火災保険の相当額を大学が負担等)を取り決めた。こちらも活用方法は学生発案で、管理運営まで学生が行っている。
同大学国際総合科学部の武子雛代さんと石淵皓太さんは「学生の取り組みでも地域の人に歓迎されたことに驚いた。地域活性化につながることが実感できた」と話した。
不動産マネジメントやまちづくりを指導している齊藤広子教授は、「一人一人のできることに限りはあるが、産官学で連携することでできることが広がる。空き家利活用も期間を限定することで、気楽に貸すオーナーが増えると思う。建物は、使うことで管理にもなる。学生の活動が地域の活性化につながり、重要な学びの場となっている」と話した。
























