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プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A 「空き家相談の担い手」育成へ 流通前の〝仕分け〟支える

住宅新報 2019年6月4日 号 12面

連載: ニュースが分かる!Q&A

総合

 先輩記者A 先日、「空き家相談の担い手育成講座」に参加したそうだな。空き家の課題解決につながるヒントはあっただろうか。

 後輩記者B 「全国版空き家・空き地バンク」を運営し地方創生を推進するライフルが、NPO空き家コンシェルジュ(奈良県橿原市、有江正太代表理事)と提携した取り組みの第1弾です。参加定員を上回る問い合わせがあり、全国の地域おこし協力隊員や市町村職員、建設業者のほか、買取再販事業者や管理会社など不動産関係者を含めた約30人が参加しました。

 A 野村総合研究所の予測(17年6月)では、33年に日本の全物件の約3件に1件が空き家になるとされている。

 B 現在、全国に800万件以上あるとされる空き家(13年「住宅・土地統計調査)総務省)のうち「賃貸用又は売却用の住宅」を除いた、その他空き家だけでも300万件以上といわれますからね。

 A 15年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」を機に全国の市区町村でも取り組みが進められている。ただ、空き家の掘り起こしは十分とはいえず、空き家バンクの設置状況は全国の自治体の6割。設置している自治体を見ても、登録状況が3割未満の自治体が9割以上を占めている(「17年度空き家バンクに関する調査」価値創造研究所)。

 B 空き家の件数もさることながら、人口減少、少子高齢化、所有者個人の問題、相続や登記、建物の問題など空き家になる理由も様々。不動産として流通困難な要因を抱えていて、それを解決することがポイントとなります。

 A 行政と民間事業者をつなぐ中間支援として、様々な相談に対応できる空き家の相談員がいる窓口の開設、運用が必要だ。

 B ええ、この講座でも、空き家所有者からの相談を一括して引き受け、関係機関につなぎながら利用者とのマッチングまで行う人材育成を目的としています。2日間にわたる講座では、地域の空き家の現状や空き家の窓口の設置・運営をはじめ、相談案件を仕分けるトリアージ手法、自治体との連携方法などについて解説されました。

 A 空き家相談の担い手は、地域の自治体などから空き家対策業務の委託を受け、物件の所有者から相談対応を行う。これまでのリフォーム事例や活用目的、関連業者ネットワーク、空き家の管理方法など蓄積したノウハウを基に、士業等の関連事業者と連携しながら活用方法を探るキーマンとなる。流通に乗せていく取り組みを担うため、不動産業者にとっても心強いパートナーになるだろう。

 B メイン講師を務めた同NPOの有江さんは、奈良県を中心に年間1500件の相談に対応しています。相談内容では権利関係や所有者の身体的問題、意思判断など複合的に絡み合った問題が多く、流通の前段階での仕分けに注力し、「ゼネラリストとして全般的に対応できる広い理解と、トリアージという活用に向けた空き家の仕分け方法を習得してほしい」と同講座の狙いを説明していましたね。

 A 参加者の意識はどう変わったのだろうか。

 B 参加者からは相談窓口立ち上げ時の困りごとや取り組み、不動産事業者との連携のつくり方など、実践的な質問が寄せられており、新規事業の芽を探す参加者もいたそうです。有江さんも「ニュートラルな立ち位置で窓口機能を担い、空き家が流通しやすい状態に仕立てていく。その先は地域の慣例に詳しい地場業者の活躍の場になる」と連携の必要を唱えていました。

 A 国土交通省が取り組む「全国版空き家・空き地バンク」(ライフル、アットホームの2事業者が運営)の現在の運用状況を見ると、4月末時点で全国の612自治体が参加表明し、順次物件情報の掲載を進めている。3月末時点で2100件以上の物件が成約済みとなっているという。

 B 最近では広島県宅地建物取引業協会では、不動産情報システム「スマイミー」を運営する広島宅建(株)と連携し、自治体が「スマイミー」を無償で利用して、2つの全国版バンクへ反映される仕組みを全国で初めて構築しています。自治体による空き家情報の登録・管理の効率化や反共獲得によるマッチング促進が期待できますし、今後の広がりに注目です。

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