ニュースが分かる! Q&A 18年住宅・土地統計調査から 空き家率最高の13.6%、問題は?
住宅新報 2019年5月21日 号 14面
連載: ニュースが分かる!Q&A

出典:総務省「18年住宅・土地統計調査報告」
息子 父さん大変だよ、また空き家が増えたよ!
父親 いきなり何の話だ。
息子 だから空き家の話だってば。ほら、新聞にこんなに大きく出てる。
父親 ああ、5年に1度の住宅・土地統計調査の住宅数概数集計が出たんだったな。空き家率は過去最高の13.6%、数は846万戸で前回調査比3.2%増か。5年前に大きく騒がれた時には「13.5%、820万戸」だったから、確かに増えたな。
息子 でしょう。ざっと7軒に1軒は空き家っていうから、この町内にも30軒くらいはあるはずだよね。大変だ。
父親 色々間違っているな。空き家といっても色々あって、半分以上は賃貸住宅だ。今回の場合は431万戸で、5年前と比べて2万戸増えたな。それに売却用の住宅や、別荘などの「二次的住宅」もあるが今回の調査では減っているし、戸建ての自宅中心の我が町にはあまり関係ないだろう。
息子 別荘とかアパートの空室なんかも空き家扱いなのか。じゃあ問題ないのかな。
父親 そうとも限らない。
息子 どうして?
父親 どういう用途にせよ、人の住んでいない住宅が増えていること自体は確かだ。ある程度は空き家がなければ引っ越しもできないが、多すぎると地域が空洞化するし、分譲マンションなら管理の機能不全になるかもしれない。〝住調〟の空き家の判別手法自体には疑問の声もあるんだが、同じ手法で調査して数が増えているなら、総数の実態はともかく増加傾向にあることは分かるわけだしな。
息子 でも半分以上は賃貸とかで、全部が崩れそうなボロ家ってわけじゃないんでしょう?
父親 確かにそうだが、その一般的な〝空き家〟のイメージに近い「その他の住宅」が、今回は347万戸で前回調査比9.1%増だ。ちなみに住宅総数は6242万戸で同3.0%増、空き家全体は同3.2%だから、「その他」空き家の増加ペースは明らかに早い。割合としては全体の5.6%程度ではあるがな。
息子 やっぱり問題なのか。大体、なぜ空き家がこんなに増えているんだろう。
父親 この新聞の10段抜き〝住調〟記事は、人口が減少しているのに多くの住宅を建設し続けているから、という解説だが……父さんの意見は少し違うなあ。人口減とはいえ、今のところ世帯数はまだ増えているわけだしな。
息子 どう違うの?
父親 一つは空き家の地域差だ。全国にまんべんなく空き家があるならまだ悪影響は少ないだろうが、基本的に空き家は地方部に多く都市部で少ない。人口動態と不動産価格を考えれば当然だが、県によって倍以上の差がある上に、この差は拡大傾向にある(表参照)。住宅の総量というよりも、大都市圏への人口流入が引き起こす地域間格差が、空き家の形でも表れているんじゃないかな。
息子 そうか。都心はアパートの空室を探すのも苦労するけど、地方ではタダでも引き取り手のいない戸建てがゴロゴロなんて話もあるね。
父親 そうだ。それと関連するが、家の「建て替え」が足りないことも理由だと思う。同じ新築住宅でも、古い家を建て替えて同じところに住むなら空き家は増えない。元の家に住まずに放置して、ほかの土地に新しく家を建てるから空き家が発生する。子供が皆出ていって帰ってこないケースも同じ構造だ。かなり単純化した説明だが、突き詰めれば人口の偏りへの対策と同時に、「新設」と「除却」をセットで考えなければならない時代なんだろう。
息子 なるほどね。わかった、僕も空き家を増やさないために、将来もこの家に住み続けるようにするよ!
父親 (親としてはむしろ、早く定職を見つけて独立してほしいんだがな……)






















