国交省 長期優良住宅制度検討会 普及促進が大きな柱 次回から議論の集約へ
住宅新報 2019年5月21日 号 2面

松村座長(左から2人目)と検討会委員ら
国土交通省は5月13日、第6回「長期優良住宅制度のあり方に関する検討会」(座長・松村秀一東京大学大学院特任教授)を開いた。長期優良住宅(今週のことば)制度が6月に施行10年を迎えることを受け、同制度の見直しを図るための検討会。
今回の会合では、同制度の抱える課題のうち、「流通時に同制度の認定が評価される環境の整備」と「中小事業者による制度活用の促進」について意見が交わされた。
「流通時の評価」については、アプローチを「既存の枠組み等の普及促進」と「制度の精緻化」の2つに整理。これまでの検討では、「中古住宅流通市場で評価されていない」など、同制度の認定を受けることにメリットが生じにくい現状が指摘された。更に流通に当たっては、維持保全の担保も重要だ。
そこで同制度の改善点として、まず周知と普及を進めることが重視されている。手段としては、長期優良住宅のメリットを伝えるためのパンフレットなどの作成による認知度向上のほか、国の補助事業による既存住宅増改築認定の普及促進なども提示された。
加えて、18年4月施行の改正宅建業法が定めた、重要事項説明におけるインスペクション説明義務と同制度が関わる部分の周知が挙げられた。認定長期優良住宅の仲介時は、認定計画に基づいて行う「維持保全の一環として行う点検(実施後1年以内でインスペクション相当のもの)、書類の保存状況を説明しなければならない」(同検討会資料より)ことを宅建業者に周知すべきという案だ。
ただし、認定計画に基づく点検が、改正宅建業法の規定するインスペクションに相当するかどうか、整理が必要だとも付け加えている。
このほか、長期優良住宅を容易に判別できるマーク等の作成や、維持保全状況の所管行政庁への報告を義務付けるなどの制度改定案もあった。ただし、池本洋一委員(リクルート住まい研究所所長、SUUMO編集長)は「ポータルサイト側の視点で言えば、制度の数や要素が増えるとサイト上の項目も増えてしまう。これは流通に関わる業者も同様で、制度の増加や改正は負担の増大と困惑を招く。可能な限りほかの制度との調整を」と注意を促している。
中小事業者の動向に関しては、これまでの検討や同省によるヒアリングによると、主に「申請用資料作成の負担が大きい」「(性能を満たしていても)制度を理解していない」「将来の維持管理対応への不安」などから認定取得が進んでいない。そこで、手続きについては「申請代行事業者の利用促進」、制度の理解は「講習会などによる認定基準の周知」、将来への不安には「維持管理事業者を活用できる環境整備」などが提案された。
次回の同検討会は6月24日に開き、これまでの検討内容を整理・集約した「取りまとめ」の検討を始める予定。同省住宅生産課の長谷川貴彦課長は「同制度の内容は幅広いが、検討を通じて課題が整理されたように思う。特に『普及促進』は大きな柱であり、ハードルは高いがしっかりと取り組んでいきたい」と方針を述べた。


























